1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

COP28の最新合意草案、化石燃料の「段階的廃止」を削除

ロイター / 2023年12月12日 2時7分

アラブ首長国連邦(UAE)で開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で11日に公表された合意草案で、多くの国々が求めていた化石燃料の完全な「段階的廃止」が削除された。ドバイで撮影(2023年 ロイター/Thomas Mukoya)

Kate Abnett Gloria Dickie David Stanway

[ドバイ 11日 ロイター] - アラブ首長国連邦(UAE)で開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で11日に公表された合意草案で、多くの国々が求めていた化石燃料の完全な「段階的廃止」が削除された。前回の草案には含まれていた。

議論に詳しい情報筋によると、石油輸出国機構(OPEC)の盟主のサウジアラビアが化石燃料に関する言及を削除するよう議長国のUAEに圧力をかけていた。

COP28の交渉関係者やオブザーバーはロイターに対し、サウジなどが石油やガスの段階的廃止への合意に反対する中心勢力になっていると指摘した。

サウジ政府は11日のコメント要請に応じなかった。

COP28で議長を務めるUAEのジャベル産業・先端技術相は「やるべきことはまだたくさんある」とし、参加200カ国に対し合意成立に向けた取り組みを加速するよう呼び掛けた。

国連のグテレス事務総長は記者団に対し、COP28の成功の中心的な指標は壊滅的な気候変動を回避するのに十分な速さで石炭や石油、ガスの使用を削減する合意を生み出せるかどうかだとして「全ての国が同時に化石燃料を段階的に廃止しなければならないということを意味しているわけではない」と言及した。

草案では、各国が温室効果ガス排出量を削減するために利用「可能な」8つの選択肢の一つとして「化石燃料の消費と生産の両方を公正かつ秩序があり、公平な方法で削減し、2050年より前、またはそれまで、あるいはその頃に実質ゼロを達成する」との内容を盛り込んだ。

他の選択肢には、2030年までに再生可能エネルギーの容量3倍化、「衰えない石炭の急速な段階的削減」、二酸化炭素回収技術などの強化などが含まれている。

ただ、欧州連合(EU)のフックストラ欧州委員(気候担当)は11日、合意草案を「期待外れ」とし、EU代表団は気候変動対策に向け必要だと思われる変更を得るために必要な限り話し合うと述べた。

また、米国務省報道官は声明で、合意草案は化石燃料を巡る問題を含めて強化する必要があるとした。

すでに海面上昇の影響を受けている太平洋の島国サモアおよびマーシャル諸島の代表らは合意草案は死刑宣告だと訴えた。

カナダのギルボー環境・気候変動相は、化石燃料の段階的廃止についてはOPECが反対していると指摘した。

一方、一部の他国の代表やオブザーバーは合意草案に対してより前向きな見方を示した。

シンクタンク「パワー・シフト・アフリカ」のディレクター、モハメド・アドウ氏は「合意草案は変革の基盤を築くもの」と評価。ブラジルの代表は「これは全ての関係者の視点を取り入れようとする試みであり、誰かを排除するものではない」とした。

COP28は今月12日に閉幕予定だが、交渉が長引けば延長される可能性がある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください