米大統領選討論会、経済や移民問題巡り論戦 ハリス氏健闘
ロイター / 2024年9月11日 13時12分
9月10日夜、11月の米大統領選に向け、民主党候補ハリス副大統領(59)と共和党候補トランプ前大統領(78)が初のテレビ討論会に臨んだ。写真は対面時に握手する両氏。同日、ペンシルベニア州フィラデルフィアで撮影(2024年 ロイター/Brian Snyder)
Nandita Bose Gram Slattery Joseph Ax
[フィラデルフィア 10日 ロイター] - 11月の米大統領選に向け、民主党候補ハリス副大統領(59)と共和党候補トランプ前大統領(78)が10日夜、初のテレビ討論会に臨み、経済、内政、外交など幅広い問題を巡り論戦を繰り広げた。ハリス氏の鋭い舌鋒に、トランプ氏は苛立ち守勢に立つ場面もあった。
討論会中、オンライン予測市場「プリディクトイット」では、トランプ氏勝利の可能性が52%から47%に低下。一方ハリス氏勝利の確率は53%から55%に上昇した。
また討論会終了後に米人気歌手のテイラー・スウィフトさんがハリス氏支持を表明。ハリス陣営には大きな追い風となった。
勢いに乗った形のハリス陣営は、10月に再び討論会の開催を求めた。
一方、共和党からは、トランプ氏の苦戦を認める声が上がった。
トランプ氏は、序盤こそ個人攻撃や性差別的な発言を控えていてたが、ハリス氏の主張や追及を受けると時に動揺した様子も見せた。自身の訴訟について、ハリス氏と民主党が証拠なしに画策したと指摘。2020年の大統領選挙は不正との主張を繰り返した。ハリス氏を「マルクス主義者」とも呼んだ。
ペンス前副大統領の首席補佐官を務めたマーク・ショート氏は、「トランプ氏は、経済と国境問題でバイデン・ハリス両氏を非難する機会を逃し、代わりにハリス氏の餌に食いつき、自らを追い込んだ」と氏述べた。
<2016年以来の握手>
両候補は会場に入るとまず握手し、議論をスタート。討論会で候補者が握手するのは2016年以来となる。
<経済で激論>
討論のテーマは、トランプ氏が有利とされる経済で始まった。
ハリス氏は輸入品に高関税を課すトランプ氏の考えを批判する一方、家計に税制優遇措置を導入する自身の計画を訴えた。
また、トランプ前政権が「大恐慌以来最悪の失業率を残した」とし、「われわれが行ったのはドナルド・トランプの混乱を一掃することだ」と主張した。
トランプ氏はバイデン政権下でインフレが継続したと批判。「(インフレは)国民、中流階級、あらゆる階級にとって災難だった」と述べた。インフレ率については誇張も見られた。
<ウクライナ・ガザ>
ロシアによるウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザ紛争については、両候補とも具体的な打開策を示さなかった。
ハリス氏は、トランプ氏がプーチン・ロシア大統領の機嫌を取るためウクライナへの支援を放棄する用意があるとし、トランプ氏を「恥ずべき人物」と呼んだ。トランプ氏はハリス氏がイスラエルを「憎んでいる」と主張したが、ハリス氏はこれを否定した。
<国内問題>
トランプ氏は、経済問題から自身最大の争点である移民問題に話を移すと、精神病院などから移民が南部国境を越えて流入していると主張したが、証拠は示さなかった。
また、トランプ氏が、ハリス氏について「急に黒人になった」と指摘したことについて司会者から質問されると「彼女が何になりたいと思おうとも私は構わない」と述べた。
ハリス氏は「大統領を目指す人物が、そのキャリアを通じて一貫して人種問題によって米国民を分断しようとしてきたのは悲劇だと思う」と述べた。
中絶問題では、ハリス氏が、人工妊娠中絶の権利を認めたロー対ウェイド判決を2022年に最高裁が覆して以降、緊急治療を拒否された女性や、近親相姦の被害者が妊娠中絶ができない状況を改めて説明。トランプ氏が全国的な中絶禁止を支持すると主張したが、トランプ氏は否定した。
ハリス氏は、保守系シンクタンク、ヘリテージ財団がまとめた政策提言書「プロジェクト2025」を取り上げた。プロジェクト2025は、行政権の拡大や環境規制の撤廃など保守派が志向する内容が盛られ、トランプ氏が再選された場合の政策方針を示唆すると指摘されている。トランプ氏は、一部顧問がプロジェクト2025に関与していたが、自身は「関係はない」と反論した。
この記事に関連するニュース
-
〈知識や経験より忠誠心〉トランプが新政権で重用する“しがらみがない人々”のリスク「露のプロパガンダに乗って…」
文春オンライン / 2024年12月17日 17時0分
-
2期目のトランプ大統領は“無双状態”に突入! 3つの主要政策を背景としたドル高・円安シナリオ実現か
MONEYPLUS / 2024年12月10日 7時30分
-
米トランプ次期政権とのパイプ役キーパーソンは「麻生氏」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年11月30日 9時0分
-
トランプ次期大統領の経済対応を信頼するも、国内団結は懐疑的、米シンクタンク調査(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月25日 13時0分
-
トランプ劇場第二幕の始まり…第47代米国大統領に選出されるトランプ氏…就任後の政策は?国内インフレでドル高円安は避けられない
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月25日 11時15分
ランキング
-
1バイデン米政権、台湾軍事支援に893億円 武器売却も矢継ぎ早に実施、対中防衛強化
産経ニュース / 2024年12月21日 16時36分
-
2ドイツのクリスマス市に車突入、5人死亡・200人以上負傷…サウジ出身の難民の医師を拘束
読売新聞 / 2024年12月21日 20時34分
-
3無人島だった竹島に家ネズミが大繁殖、韓国占拠のツケ重く 美しい自然取り戻せ ソウルからヨボセヨ
産経ニュース / 2024年12月21日 7時0分
-
4ミャンマー西部国軍司令部占拠か 少数民族の武装勢力が宣言
共同通信 / 2024年12月21日 21時12分
-
5イスラエル商都にミサイル、20人負傷=フーシ派が攻撃
時事通信 / 2024年12月21日 17時9分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください