銀行監督当局、流動性リスクの詳細な監視を BIS報告
ロイター / 2024年10月11日 17時5分
10月11日、世界の中央銀行が加盟する国際決済銀行(BIS)は、昨年の銀行セクター混乱に関する調査報告を公表し、銀行監督当局はグループレベルでのリスク監視だけでなく、銀行の個々の事業体が十分な流動性を維持していることを確認すべきだとの見解を示した。写真はBISの本部。2021年3月、スイス・バーゼルで撮影(2024年 ロイター/Arnd Wiegmann)
Tommy Reggiori Wilkes Stefania Spezzati
[ロンドン 11日 ロイター] - 世界の中央銀行が加盟する国際決済銀行(BIS)は11日、昨年の銀行セクター混乱に関する調査報告を公表し、銀行監督当局はグループレベルでのリスク監視だけでなく、銀行の個々の事業体が十分な流動性を維持していることを確認すべきだとの見解を示した。
BISは20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁に宛てた報告で、現在の監視ツールは大まかに目的に適合しており、デジタルバンキングと情報への容易なアクセスの時代には流動性規制だけでは全ての銀行取り付け騒ぎを防ぐことはできないと指摘した。
昨年のスイス金融大手UBSによるクレディ・スイス緊急買収を受け、2008年の金融危機後に導入された流動性要件である流動性カバレッジ比率(LCR)が目的に適っているかどうかの再考を迫られている。
報告書では、監督当局が銀行の流動性報告の頻度を改善するほか、資金調達方法の詳細な説明、個々の機関にツールを適用することなどで監視を強化できると提言している。
BISは「2023年の銀行業界の混乱、特にクレディ・スイスの経営難から得られる重要な教訓は(個々の事業体レベルや関連するサブグループレベルを含む)グループ全体のリスク動向を監督当局が監視することの重要性だ」とした。
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