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トランプ氏、アルミ・鉄鋼に25%関税 例外措置を撤回

ロイター / 2025年2月11日 11時31分

 トランプ米大統領は10日、鉄鋼とアルミニウムに対する関税を大幅に引き上げ、主要供給国のカナダ、メキシコ、ブラジルなどへの適用除外措置と無関税枠を撤回した。写真はホワイトハウスでアルミニウム輸入への関税に関する署名済み大統領令を手にするトランプ氏(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

David Lawder Andrea Shalal

[ワシントン 10日 ロイター] - トランプ米大統領は10日、鉄鋼とアルミニウムに対する関税を大幅に引き上げ、一律25%とし、主要供給国のカナダ、メキシコ、ブラジルなどへの適用除外措置と無関税枠を撤回した。苦境に立たされている産業を支援する狙いだが、貿易戦争のリスクがさらに高まった。

トランプ氏は2018年にアルミ輸入に10%の関税を課したが、今回これを25%に引き上げる宣言に署名した。今回の措置により、無関税枠や例外措置、特定の製品除外の下で無関税で輸入されていた鉄鋼・アルミに対する25%の関税が復活する。

ホワイトハウス当局者は、この措置が3月4日に発効することを確認した。

トランプ氏は、鉄鋼・アルミに対する関税が簡素化され、「誰もが正確に意味を理解できるようになる。例外や適用除外なく25%だ。原産国を問わず、全ての国が対象だ」と記者団に語った。

ただその後、オーストラリアの鉄鋼関税免除要請を「大いに検討する」と述べた。

今回の措置は、国家安全保障上の理由で国内の鉄鋼・アルミ生産会社を保護するためにトランプ氏が18年に通商拡大法232条に基づき発動した関税を拡大するもの。

ホワイトハウス当局者は、適用除外措置がそうした業界を保護する措置の有効性を損なってきたと指摘した。

トランプ氏はまた、他の関税を回避する中国とロシアの最低限の加工を施した製品の輸入を抑制するため、北米で新たな基準を導入し、同地域における鉄鋼輸入品は域内で「溶解・注湯」され、アルミは「製錬・鋳造」されることを義務付ける。

ホワイトハウス当局者によると、今回の措置では加工された構造用鋼材、アルミ押出材など、外国製鋼材を使用する下流製品も関税の対象となる。

ナバロ大統領上級顧問(貿易・製造業担当)はこの措置が米国の鉄鋼・アルミ生産者を支援し、経済と国家安全保障を強化につながるとの見解を示した。

「鉄鋼・アルミ関税2.0は、外国からのダンピング(不当廉売)に終止符を打ち、国内生産を押し上げ、米国の経済と国家安全保障の基幹産業としての鉄鋼・アルミ産業の地位を確保するものだ」と記者団に語った。

「これは単なる貿易の問題ではない。米国が鉄鋼やアルミのような重要産業で外国に依存する必要がないようにする狙いがある」と述べた。

<各国の反応>

カナダのシャンパーニュ産業相は、米国の関税は「全く不当」だとし、カナダの鉄鋼とアルミニウムは防衛、造船、エネルギー、自動車など米国の主要産業を支えていると述べた。

欧州委員会も、関税に正当性はないとし、フォンデアライエン委員長が11日に人工知能(AI)サミットが開催されているフランスのパリでバンス米副大統領と会談すると発表した。

韓国では、産業省が鉄鋼メーカーを招集し、関税の影響を最小限に抑える方法を協議した。

<相互関税>

トランプ氏は、米国製品に関税を課す全ての国に対する相互関税を今後2日間で発表するとも述べた。自動車、半導体、医薬品への関税も検討していると明らかにした。

他国からの報復措置について問われると、「気にしない」と答えた。

トランプ氏は自動車輸入に対する欧州連合(EU)の関税率が10%と米国の2.5%よりもはるかに高いことにかねてから不満を示してきた。しかし、米国はゼネラル・モーターズ(GM)など米自動車大手にとって重要な収益源であるピックアップトラックに25%の関税を課している。

世界貿易機関(WHO)のデータによると、米国の貿易加重平均関税率は約2.2%。これに対し、インドは12%、ブラジルは6.7%、ベトナムは5.1%、 EUは2.7%となっている。

インド政府当局者によると、同国のモディ首相は12日のトランプ氏との会談に先立ち、米国の輸出支援につながる関税引き下げを準備しているという。

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