新型コロナは「パンデミック」に相当、WHO事務局長が表明
ロイター / 2020年3月12日 9時51分
[ジュネーブ 11日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は11日、新型コロナウイルス感染拡大は「パンデミック(世界的な大流行)」に相当すると表明し、現時点ではイタリアとイランが感染拡大の最前線となっているが、他の国もまもなく同様の状況に陥る恐れがあると警告した。
テドロス氏は記者会見で「感染の広がりと深刻さに加え、問題への対応が憂慮すべきレベルにとどまっていることを深く懸念している」とし、「パンデミックと表現できるとの判断に至った」と言明。パンデミックの抑制に向け積極的な措置はなお大きな役割を果たせるとし、国際社会に対し感染拡大の封じ込めに向けた対応策の強化を呼び掛けた。
テドロス氏はその後ツイッター上で「コロナウイルスによって引き起こされたパンデミックは今回が初めてだ」と指摘。どの国もパンデミックの軌道をまだ修正できると強調し、「制御可能なパンデミックの最初の例になるかもしれない」と投稿した。
WHOや各国が取るべき対応は変わらないとも指摘した。
WHO当局者は数週間前から、「パンデミック」という表現を用いる可能性を示唆していたが、法的な意味は持たないとも強調していた。WHOは2009年に流行したH1N1型の新型インフルエンザをパンデミックと認定。現在はインフルエンザ以外の疾病に対しパンデミックは宣言していない。
WHOは1月30日、新型ウイルスを巡り、国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言した。その時点では、中国国外での感染者は100人を下回っていた。
テドロス氏は、現在では感染は114カ国に拡大し、これまでに11万8000人超の感染を確認、4291人が死亡したと指摘。中国以外での感染が過去2週間で13倍増になったとし、感染者及び死者数は今後も増加するとの見方を示した。
WHO緊急事態プログラム責任者のマイク・ライアン氏は、イランの情勢が「極めて深刻」だとし、WHOは一段の監視措置を望んでいると言明。「早急な対応が必要だ。今はイタリアとイランが最前線だが、他国もまもなく同様の状況に陥るとはっきり言える」と警鐘を鳴らした。
ライアン氏は、インフルエンザを巡る経験から、パンデミックが宣言された後は状況は制御できなくなるとの考えが広まったと指摘。ただ、韓国、シンガポール、中国における新型ウイルス対応を見るとこうした考えは正しくないことが分かるとし、「これまでのわれわれの観察結果から、新型ウイルスは制御可能な要素があることが判明している。このことは感染の急速な増加を鈍化させられる可能性があることを示している」と述べた。
*内容を追加しました。
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