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再開急げば「不要な苦しみ」、米感染研ファウチ氏が第2波を警告

ロイター / 2020年5月13日 5時30分

米政権の新型コロナウイルス対策チームの米国立アレルギー・感染症研究所ファウチ所長は12日、上院委員会の公聴会で議会証言し、ロックダウン(都市封鎖)措置の解除を急げば、新型コロナ感染の第2波を招くリスクがあると警鐘を鳴らした。写真はビデオ会議で証言するファウチ氏。代表撮影(2020年 ロイター)

[ワシントン 12日 ロイター] - 米トランプ政権の新型コロナウイルス対策本部の主要メンバーである国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は12日、上院委員会の公聴会で証言し、ロックダウン(都市封鎖)措置の解除を急げば、新型コロナ感染の第2波を招くリスクがあると警鐘を鳴らした。

ファウチ所長はビデオを通じた証言で、ウイルス封じ込めで「われわれは正しい方向に向かっているが、感染を完全に制御したわけではない」と強調。各州は保健専門家の提言に従い、新規感染者数の減少など、感染状況が終息に向かっている兆候を確認するまで経済再開を待つべきと言明した。

トランプ大統領は経済再開に向け、各州にロックダウン措置解除を促しており、両者の見解のずれが浮き彫りとなった。

米国内の複数州がすでに経済再開に向けた制限緩和に動く中、ファウチ氏は「制御不可能となる恐れのある感染を引き起こす現実的なリスクが存在し、不必要な苦しみや死を招くだけでなく、かえって景気回復を遅らせる可能性もある」と警告した。

ただ、新型ウイルスとの戦いで一部進展も見られているとも指摘。感染拡大のホットスポットとなっていたニューヨークなどで感染拡大は減速しているとの認識を示した。

米製薬ギリアド の新型コロナ感染症治験薬「レムデシビル」については、入院患者を対象とした臨床試験はなお「控えめ」な結果にとどまっているとの認識を示した。

米国での新型コロナ感染者は130万人超、死者は8万0600人に上る。

この日の公聴会は通常の議会公聴会よりも穏やかに進行。上院の保健・教育・労働・年金委員会のメンバーが、党派に属さない公衆衛生の専門家らに質問を行った。民主党議員の質問は現時点で経済活動を再開させることのリスクにおおむね集中した一方、共和党議員は経済を長期にわたり閉鎖すれば経済と国民の健康が損なわれる恐れがあると主張する傾向が見られた。

大学が8月、もしくは9月初旬に再開された場合、学生がキャンパスに戻るのは安全かとの質問に対し、ファウチ氏は、それまでにワクチンもしくは治療薬が利用できるようになっていると考えるのは無理があると答えた。

学校再開の問題を巡っては、共和党のランド・ポール議員がファウチ氏に対し 「あなたを尊敬しているが、あなたは最終的な決定権を持っていない」と指摘。これに対しファウチ氏は「新型ウイルスに関して、全てのことが分かっているわけではない。このため、特に子供に関しては極めて慎重になる必要がある」とし、「子供は有害な影響を全く受けないと考えないよう留意する必要がある」と述べた。

その上で、自分自身が最終決定者だとも、唯一見解を表明する立場にいる者だとも考えたことはないとし、「私は科学者で、医者で、公衆衛生の専門家だ。最善の科学的な証拠に基づき助言を行う立場にある。私は経済に関する助言は行わない」と語った。

ファウチ氏は79歳。12日のCNNの世論調査では、新型ウイルスに関する情報について、民主党支持者の81%がファウチ氏から得られる情報を信頼すると回答。共和党支持者は61%だった。

*内容を追加しました。

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