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米国の州政府、感染拡大でも経済再開 第2波への懸念強まる

ロイター / 2020年6月12日 13時13分

<description role="descRole:caption"> 6月11日、米国では、新型コロナウイルスの感染が拡大している複数の州の政府が、経済活動の再開を進める方針を表明した。写真はフロリダ州マイアミの海岸で10日撮影(2020年 ロイター/Marco Bello) </description>

[11日 ロイター] - 米国では11日、新型コロナウイルスの感染が拡大している複数の州の政府が、経済活動の再開を進める方針を表明した。背景には財政の悪化や失業者の急増といった問題があるが、感染第2波につながるリスクがあるとの懸念が浮上している。

ムニューシン財務長官は同日、新型コロナの感染拡大により米国で経済活動が再び停止される事態に陥ってはならないと表明。フロリダ州やアリゾナ州でも、知事が経済活動を再開する方針を示した。

フロリダ州では11日、1日当たりの新規感染者が過去最多となったが、デサンティス知事は公立学校を秋から「フル稼働で」再開する計画を発表。この計画が州の経済を左右するとの見方を示した。

ノースカロライナ州でも11日、新型コロナ感染症の入院患者が5日連続で過去最多を記録したが、前日にはジム、フィットネスセンター、バーの営業を再開する法案が州議会を通過している。同州では労働者の1割以上が失業状態にある。

米政策シンクタンク「予算・優先政策研究センター」によると、ニューメキシコ州など感染が拡大している州では2021年度の財政悪化が予想されている。

米労働統計局のデータによると、感染者が過去2週間で約3割増えたネバダ州では失業率が28%に達した。

アリゾナ州のデュ—シー知事は会見で「これは州内の人命を救うという問題であると同時に、生計の問題でもある」と発言。同州では過去2週間で感染者が211%増えているが、経済活動を再び停止することは「協議していない」という。

テキサス州やアリゾナ州など、全米の約6州では新型コロナの入院患者が増加。

ニューヨーク州では医療機関が不足し、一部の新型コロナ感染症患者が廊下で治療を受けたり、遺体が冷凍トレーラーに安置される事態も起きたが、アリゾナ州のデュ—シー知事やテキサス州のアボット知事は、州内の医療機関は不足しておらず、ニューヨーク州の二の舞は避けられると話している。

<9月に第2波との予測も>

ワシントン大の保健指標評価研究所(IHME)は11日、国内で新型コロナ感染死の第2波が9月に始まると予想。4月以降、人の移動が増えていることが理由という。最新の予測では10月1日までに17万人が死亡する見通し。予想レンジは13万3000人ー29万人となっている。

慎重な姿勢を示しているのはユタ州のハーバート知事。過去2週間で感染者が126%増加したことを受けて、州内の大半の地域が経済再開を停止すると表明した。

テキサス州オースティン市も11日、外出禁止とマスク着用を今月15日以降も義務付ける可能性が高いと見通しを示した。

テキサス州では前日、感染者が過去最多を記録。オースティン市の保健当局者は、企業活動の制限緩和やメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)の集会が感染拡大につながったと指摘している。

ただ、経済活動を新たに停止する動きは出ていない。

ニューメキシコ州のクンケル保険局長は、刑務所施設・老人ホーム・介護施設で起きた集団感染が、感染拡大の背景にあると指摘。

スクレイス福祉局長は「したがって、今進めているプランを大きく変更するのではなく、少しブレーキを踏み、今後2週間程度、慎重に様子を見守る必要がある」と述べた。

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