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アングル:中国の金利上昇が示唆する、当局景気刺激策の変化

ロイター / 2020年6月12日 18時59分

6月12日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた中国で国債利回りが上昇している。写真は人民元紙幣。 2月撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic)

[上海/シンガポール 12日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた中国で国債利回りが上昇している。当局がリスクの高い金融商品への投資を抑制し、銀行による低金利融資を実体経済に誘導したい意向との見方が背景にある。

中国人民銀行(中央銀行)が短期金利の引き下げを休止したことなどから短期金融市場と債券市場で今週、金利が数カ月ぶりの水準へ上昇した。

ベンチマークの1年物短期国利回り は2.09%と3月半ば以来の高水準を記録。1カ月で85ベーシスポイント(bp)超の上昇となった。レポ金利とスワップ金利 も上昇した。

人民銀は銀行の中小企業向け融資を促進するために同融資を買い取ると表明している。中信証券(北京)の債券調査部門トップ、ミン・ミン氏は「人民銀が中小企業や零細企業向けの信用を急拡大させることを狙ったものだ」と分析し「こうした見方が債券が大きく売られている主な理由だ」と指摘した。

PBOCのこうした動きについて、アナリストは景気刺激策によるマネーが裁定取引や過剰な借り入れに使われることを阻もうとしているとみている。

HSBCのアナリストは人民銀が金利上昇を容認に転じたとし「姿勢の変化は為替相場か金融リスクか、あるいはその両方が理由の公算が大きい」との見方を示した。

1月から4月にかけて長期金利が急低下したのは国債投資が増えたことを示唆している。また銀行の仕組み預金が大幅に増加したのは、投資家が低金利で借り入れた資金を高利回りの仕組み預金に回したためとみられる。

フィデリティー・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、ジョージ・エフスタソプーロス氏は、人民銀が短期金利を引き上げて実質的このような裁定取引やキャリー取引の機会を減らそうとしていると述べた。

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