英与党議連が増税に不満、党の再結束がスナク首相の課題に

英与党・保守党の議員連盟は１１日、７０億ポンド（８５億８０００万ドル）に上る予算の「無駄」を省けば減税や最前線の公共サービスへの支出拡大が可能になると指摘する報告書を１２日に出す意向を示した。写真はスナク首相、７日撮影（２０２２年　ロイター／Toby Melville）

[ロンドン １１日 ロイター] - 英与党・保守党の議員連盟は１１日、７０億ポンド（８５億８０００万ドル）に上る予算の「無駄」を省けば減税や最前線の公共サービスへの支出拡大が可能になると指摘する報告書を１２日に出す意向を示した。

４０人の議員で構成する議連はハント財務相への書簡で「政府は最新の財政計画で第２次世界大戦終戦以降で例を見ない高水準の税金を市民に課すことを決めた」と述べてスナク政権の増税に不満を示し、「生活費の危機を懸念する有権者に、税金の無駄遣いはないと安心させる必要がある」と訴えた。

２０２２年は保守党の首相が２人も退陣し、世論調査では同党に対し野党労働党が支持率で２桁の差をつけて先行している。次の総選挙は２４年に見込まれている。スナク首相は分裂した党を再び結束させることが課題になっている。

この日は党の別のグループも立ち上がった。ジョンソン元首相とトラス前首相が党所属議員によって退陣に追い込まれ、スナク氏も党議員が選出したことを受け、党の支配権を党員に戻すことを目指すとした。ジョンソン氏とトラス氏が首相に選出された際は、約１７万人の党員が投票した。