中国国営ＴＶが著名インフルエンサー批判、高額指摘の視聴者に苦言

Casey Hall

[上海 １２日 ロイター] - 中国国営の中国中央テレビ（ＣＣＴＶ）は１２日、ライブコマース（生配信による商品販売）中に美容品の値段が高いとコメントした視聴者に苦言を呈した著名美容インフルエンサーを批判した。

批判対象となったのはフォロワーのお金を美容品につぎ込ませる手腕から「口紅王」と呼ばれる李佳キ氏。同氏は１０日に自身が販売していた７９元（１０．８ドル）のアイブロウペンシルなどについて、視聴者から価格がますます高くなっていると告げられると、値段は上がっていないと返答。高いと思うのはその視聴者が懸命に働いていないからとの趣旨の発言を行った。

騒動になると、数時間後に李氏はソーシャルメディアで視聴者に謝罪。翌日も自身のライブ配信で謝罪した。

ＣＣＴＶはウェブサイトに掲載した論評で「多くのインターネットセレブは稼ぐ前は謙虚で、稼いだ後は非常に思い上がり、嫌われ、淘汰される運命にある」と指摘した。

李氏の視聴者の多くは経済低迷で大きな打撃を受けている中国の若者たちだ。若者の失業率は６月に２１．３％と過去最高を記録。政府はこの数字の公表を中止している。