エクソンによるパイオニア買収、米石油・ガス業界の合従連衡加速か

　１０月１１日、米石油大手エクソンモービルが、シェール大手パイオニア・ナチュラル・リソーシズを約６００億ドルで買収すると発表したことで、米石油・ガス業界では合従連衡が加速しそうだ。写真は両社のロゴ。ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボで８日撮影（２０２３年　ロイター／Dado Ruvic）

Mrinalika Roy

［１１日　ロイター］ - 米石油大手エクソンモービルが１１日、シェール大手パイオニア・ナチュラル・リソーシズを約６００億ドルで買収すると発表したことで、米石油・ガス業界では合従連衡が加速しそうだ。

石油・ガス企業は数年にわたる投資低迷で減った在庫を補うため、買収に力を入れる見通し。ライスタッド・エナジーのデータによると、エクソンの発表前時点で、米国最大のシェール油田パーミアン盆地での合併・買収（Ｍ＆Ａ）は今年２６０億ドルを超え、昨年１年間の２倍以上に膨らむと予想されていた。

業界関係者は「（ライバル企業も）エクソンに対抗するため、一段と力を入れるだろう」と述べた。

アナリストによると、シェブロンやコノコフィリップスなどの競合大手が買収に乗り出しそうだ。コンサルタント会社エンベラスのディレクター、アンドルー・ディットマー氏は、シェブロンにとって最も魅力的な標的はコテラ・エナジーもしくはデボン・エナジーになるとの見方を示した。

ただ、２０１６年以来で最大となったエクソンによるパイオニアの買収は、競争阻害の観点で当局から厳しく審査されかねないとの懸念もある。エクソン自体は当局によって買収が阻止されるとは予想しておらず、買収手続きは来年初頭に完了するとの見通しを示している。