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ウ侵攻は「帝国崩壊の戦争」、中ロ関係強化など変化継続=ハーバード大教授

ロイター / 2023年10月13日 1時55分

米ハーバード大学のウクライナ研究所長でウクライナ史が専門のセルヒー・プロヒー教授は、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ全面侵攻は避けられないものではなかったが、歴史的な経緯を踏まえると、こうした事態に至る可能性は極めて高かったと述べた。また、中ロ関係の強化などこの戦争で引き起こされた変化は、どのような形で戦争が終わろうと将来的に続くトレンドになるとの見方を示した。 (2023年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

Ayako Hirokami

[12日 ロイター] - 米ハーバード大学のウクライナ研究所長でウクライナ史が専門のセルヒー・プロヒー教授は、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ全面侵攻は避けられないものではなかったが、歴史的な経緯を踏まえると、こうした事態に至る可能性は極めて高かったと述べた。また、中ロ関係の強化などこの戦争で引き起こされた変化は、どのような形で戦争が終わろうと将来的に続くトレンドになるとの見方を示した。

プロヒー教授は、ハーバード大学デイビス・センターが11日に開催したオンラインイベントで近著「The Russo-Ukrainian War (ロシア・ウクライナ戦争)」について語った。

その中で、今回の戦争は14年2月にロシアの特殊部隊がウクライナ南部クリミアの議会と政府庁舎を占拠した時点から「公式に」始まったとし、「帝国の崩壊に伴う戦争」という広く知られる現象の一つと定義。当時ウクライナは欧州連合(EU)に接近しており、ウクライナがEUと連合協定を締結すれば、ロシアのプーチン大統領が進める旧ソ連圏の再統合からウクライナが離脱するという背景に言及し、ソ連崩壊後の空間を再構築するというプーチン氏の構想はまさに「帝国」的なプロジェクトだと語った。

プロヒー教授は、ウクライナが国内に保管していた旧ソ連の核兵器を放棄したことについても言及。1994年のこの決定が正しかったか、誤っていたかは議論しないとした上で、他の国による侵攻を抑止する兵器として歴史的に使われてきた核兵器がウクライナから撤去されながらも、代替の抑止力が提供されなかったことで、ウクライナは極めて脆弱な立場に置かれたと指摘。欧州の中心に安全保障の大きな空白が生まれたことが、今回の戦争の前提条件の一つになったとの考えを示した。

その上で、14年のクリミア併合のほか、08年のジョージア侵攻に西側諸国が異なる対応をしていれば、22年に始まったウクライナ全面侵攻は回避できた可能性があると指摘。プーチン大統領は21年7月の「ウクライナ人とロシア人の歴史的一体性」と題する論文で示した「ウクライナ人とロシア人は同一民族」とのスローガンの下で全面侵攻を開始したが、ロシア帝国に由来する考えに基づく「ユートピア的な試み」で、「間違った方向にタイムマシンを進めようとしている」と語った。

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