中国CPI、5月は0.3%上昇 PPIの下落和らぐ
ロイター / 2024年6月12日 14時5分
Liangping Gao Ryan Woo
[北京 12日 ロイター] - 中国国家統計局が12日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年比上昇率が4月と同水準を維持し、生産者物価指数(PPI)は下落が和らいだ。ただ、基調的なトレンドは政府が内需喚起や景気支援に向け一段の措置を講じる必要があることを示した。
5月CPIは前年比0.3%上昇。上昇率は4月と同水準だったが、エコノミスト予想(0.4%)は下回った。
前月比では0.1%下落した。4月は0.1%上昇、エコノミスト予想は変わらずだった。
PPIは前年比1.4%下落。下落率は4月の2.5%を下回った。エコノミスト予想は1.5%下落だった。
上海保銀投資管理(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は「デフレ圧力はまだ薄れていない」とし、「CPIは前月比でやや下落した。PPIの改善は主に銅や金など商品価格がけん引し、内需を反映したものではない」と語った。
国泰君安国際のエコノミスト、周浩氏は「特に銅などの商品価格が最近上昇したことを踏まえると、投資家にとって重要な問題はPPIが今年後半にプラスに転じるかどうかだ」と指摘。
「全体として、きょうのインフレ指標は緩やかなリフレーションがまだ進行中であることを示唆しているが、基本シナリオは引き続き低インフレとなる見通しだ」と述べた。
中国経済は長引く不動産危機が投資家や企業、消費者の信頼感に打撃となる中、回復に苦戦している。
政府は住宅部門の需要喚起策のほか、自動車や消費財の下取りを促す優遇策など消費者心理を支える措置を打ち出してきた。
5月は変動の大きい食品とエネルギーを除くコアインフレ率が前年比0.6%と4月の0.7%から鈍化し、内需の脆弱さを示した。
キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミストは、生産能力の過剰が続くため、消費者物価の伸びは緩やかになるとし、今年の消費者物価上昇率の平均は0.5%にとどまるとの見方を示した。
多くのエコノミストは政府が5%前後とする今年の成長目標を達成するため、今後数カ月でさらなる支援策を発表するとみている。ただ、信頼感を回復させ、家計や企業の支出を促すためには、包括的な財政・金融政策が必要だとの見方が多い。
当局が先月実施した不動産セクターの支援措置は、市場や投資家から不十分と受け止められている。
ピンポイントの張氏は「内需をより効果的に押し上げるには、財政、金融、不動産セクターをカバーするより包括的で積極的な政策スタンスが必要かもしれない」と述べた。
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