海幕長が辞任、特定秘密の不適切管理 一連の不祥事で防衛省200人超処分
ロイター / 2024年7月12日 12時3分
7月11日、木原稔防衛相(写真)は午前の会見で、安全保障に関わる特定秘密の不適切な管理などを巡り、海上幕僚長を交代すると発表した。写真はフィリピンのマニラで8日撮影(2024 ロイター/Lisa Marie David)
Nobuhiro Kubo
[東京 12日 ロイター] - 木原稔防衛相は12日午前の会見で、安全保障に関わる特定秘密の不適切な管理などを巡り、海上幕僚長を交代すると発表した。日本が他国との防衛協力を深める中、機密情報の保全が重要性を増しており、木原防衛相は「諸外国との信頼関係を損なうことのないよう再発防止を徹底する」と語った。
酒井良海幕長が19日付で退職し、自衛艦隊司令官の斎藤聡海将が後任に就く。会見した酒井海幕長は「不祥事の根底にある原因の1つが隊員の順法精神の欠如に加え、組織のガバナンス(統治)能力の欠落と考えている」と述べた。
海上自衛隊では、護衛艦で無資格の隊員が秘密情報を扱う戦闘指揮所に勤務させる事案が判明し、ずさんな情報管理が問題となっていた。また、潜水士が手当てを不正に受給していたなどの不祥事も発覚した。
防衛省は今回、パワハラ行為が認められた背広組の防衛省職員なども処分。省・自衛隊全体で免職や停職、降格、減給など200人超を一斉に処分することを決めた。
木原防衛相は給与の1カ月分を自主返納し、続投する。林芳正官房長官は同日の閣議後会見で、防衛省・自衛隊の立て直しに「全力で当たってほしい」と語った。
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