米国の独への長距離ミサイル配備、ロシアが対抗へ 大統領府表明
ロイター / 2024年7月12日 12時58分
ロシア大統領府のペスコフ報道官(写真)は11日、米国によるドイツへの長距離ミサイル配備計画に対抗すると表明、北大西洋条約機構(NATO)がロシアの国家安全保障にとって深刻な脅威になっているとの認識を示した。モスクワで5日撮影(2024年 ロイター/Evgenia Novozhenina)
Andrew Osborn
[モスクワ 11日 ロイター] - ロシア大統領府のペスコフ報道官は11日、米国によるドイツへの長距離ミサイル配備計画に対抗すると表明、北大西洋条約機構(NATO)がロシアの国家安全保障にとって深刻な脅威になっているとの認識を示した。
米国とドイツは10日、米国が2026年にドイツへの長距離ミサイル配備を開始するとNATO首脳会議で発表した。欧州に対するロシアの脅威の高まりに対抗する大きな一歩となる。
またNATOは10日、ポーランド北部の新たな米ミサイル防衛基地について、任務の準備が整ったと明らかにした。NATOのミサイル防衛シールドの一部として弾道ミサイル攻撃を探知・迎撃する能力を持つ。
ペスコフ報道官は国内通信社との会見で、NATO首脳会議の結果について「NATOはその本質を非常に明確に再確認した。対立を維持することを目的に、対立の時代につくられた同盟だ。その結果、欧州大陸の緊張はエスカレートしている」と発言。
「NATOは黒海の複数の都市に個別の後方支援ハブを設置することや欧州に新たな施設を開設することを決定した。NATOの軍事インフラは絶えず、じわじわとわれわれの国境に向かっている」とし「これはわが国の国家安全保障に対する非常に深刻な脅威だ。NATOを抑止しNATOに対抗するため、思慮深く、協調的で、効果的な対応をとる必要がある」と述べた。
ロシアのリャブコフ外務次官は、米独のミサイル配備を予想していたとし、ロシアを威嚇することが目的であり、地域の安全保障と戦略的関係をさらに不安定にするとの認識を示した。
リャブコフ氏は外務省のサイトに掲載した声明で「関連するロシアの国家機関は均衡を保つための対抗措置について、かなり前に必要な準備を開始し、組織的に実行している」と述べた。
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