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アングル:ナスダックが初の2万ポイント台 大手ハイテク株が主導

ロイター / 2024年12月12日 14時23分

 12月11日、米国株式市場でナスダック総合指数が初めて2万ポイントを突破した。ニューヨークで3月26日撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)

Saqib Iqbal Ahmed Suzanne McGee Lewis Krauskopf

[ニューヨーク 11日 ロイター] - 11日の米国株式市場でナスダック総合指数が初めて2万ポイントを突破した。同指数は今年、人工知能(AI)への関心の高まりや金利低下観測を背景にハイテク株が大きく値上がりし、指数を押し上げた。

ナスダック総合指数は年初来では33%余り上昇。同指数の上昇を主導したのはアップル、エヌビディア、グーグルの親会社アルファベット、そして最近数週間ではテスラなどテクノロジーに重点を置く巨大企業だ。11日発表された米消費者物価指数(CPI)を受けて米連邦準備理事会(FRB)が来週に政策金利を引き下げるとの見方が強まったことも、追い風となった。

ナスダック総合指数は11日、前日比1.8%高の2万0034.89ポイントで終了した。

同指数の上昇は成長とテクノロジーに大きく賭けていた投資家に利益をもたらした一方、バリュエーションの上昇や、超大型株が同指数に占める比重が大きく高まっている状況を巡り、不安をかき立てている。

ニューエッジ・ウェルスのキャメロン・ドーソン最高投資責任者(CIO)は「これまでの勝ち組が勝利し続けるという年末特有の動きが明らかに見られる」と指摘。「問題は、この勢いが2025年も続くかどうかだ。来年は、膨らんだバリュエーション、ポジショニング、市場心理、成長見通しの全てが、平均を上回るリターンを維持する上で大きな障壁となる可能性がある」と述べた。

ナスダック総合指数は、新形コロナウイルスのパンデミックにより世界の経済活動が停止した2020年序盤に大きく値下がりしたが、その後はFRBが政策金利をゼロ近辺まで引き下げたことや、米政府が経済対策を相次いで打ち出したことを受け、急速に持ち直した。

2022年にはインフレ率が40年ぶりの高水準に上昇してFRBが一連の大幅利上げを余儀なくされる中、ナスダック総合指数は33%下落した。だが金利の上昇が幅広く予想されていた景気後退をもたらすことはなく、同指数はその後、約90%上昇した。AIのビジネス面の可能性を巡る関心が高まったことも、同指数を押し上げた。

AI業界の「絶対的標準」と考えられている半導体を生産するエヌビディアの株価は、2022年10月の安値から1100%余り上昇している。

F/mインベストメンツのアレックス・モーリスCIOは「AIを巡る筋書きは依然として真実と考えられており、投資家に訴えかけている」と述べた。

ナスダック総合指数のバリュエーションは高まったが、依然として20年余り前のドットコムバブル局面に到達した水準を大きく下回っている。

LSEGデータストリームによると、同指数の株価収益率(PER)は現在、約36倍と3年ぶりの高水準にあり、長期平均の27倍を大きく上回っている。だが2000年3月に到達した約70倍と比べると、依然として大幅に低く、投資家にある種の安心感を与えている。

データトレック・リサーチの共同創設者ジェシカ・レイブ氏は11日、顧客向け資料に「ナスダック総合指数の直近の上昇は、1990年代終盤から2000年代序盤にかけての相場動向と比べると、特筆すべき動きではなく、より緩やかに上昇しており、結果として持続不可能には見えない」と記した。

超大型株がナスダック総合指数に占める比率は上昇の一途をたどっている。時価総額上位10社が同指数に占める比率は、2020年には45%だったが、現在は59%に上昇した。上位3社の比率は、アップルが11.7%、マイクロソフトが10.6%、エヌビディアが10.3%となっている。

だがこうした少数銘柄への集中化は、巨大ハイテク銘柄が軟調に転じた場合、投資家に問題をもたらす。例えば2022年の相場下落局面では、同指数に大きな比重を占めるメタ・プラットフォームズとテスラが年間でそれぞれ64%、65%下落した。

ナスダック総合指数は今年の上昇率が他の主要米国株指数を上回っている。今年の年初来上昇率は、ナスダック総合指数が33%、S&P総合500種は27%強、ダウ工業株30種は17%となっている。

過去10年間の上昇率は、ナスダック総合指数が320%強、S&P総合500種は200%、ダウ工業株30種は150%。

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