アングル:インドネシア、統計管理にブロックチェーン活用模索

ロイター / 2018年5月14日 7時58分

 5月4日、インドネシアはより正確な統計記録を確保するため、国を挙げてブロックチェーン技術の活用に乗り出した。写真はPCキーボードの近くに置かれたビットコインと米ドル紙幣。サラエボで昨年11月撮影(2018年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

[ジャカルタ 4日 ロイター] - インドネシアはより正確な統計記録を確保するため、国を挙げてブロックチェーン技術の活用に乗り出した。

1万7000の離島からなるインドネシアは2億5000万人もの人口を抱え、食糧生産高や個人情報などの正確なデータ記録や管理が難しかった。ブロックチェーン技術は仮想通貨の基幹技術として知られるが、当局が一括管理するのではなく複数のコンピューターで情報を収集し監視する仕組みで、インドネシアのさまざまな情報管理を後押しできる可能性がある。

たとえば、IT企業のオンライン・パジャック社がブロックチェーン技術を使い開発したアプリでは、納税者が税務署や銀行、中央銀行などとデータを共有できるようになる。チャールズ・ギノー社長は、書類の削減、人的ミスを減らす一方で透明性を高めることができるため「今のインドネシアでは納税したと証明できないが、この仕組みなら確実に税金を支払ったと断言できる」と強調した。

ブロックチェーンの証明技術を使えば、選挙を巡る不正疑惑も払拭できる可能性がある。

オーストラリアのホライゾン・ステート社は、7月にスマトラ島でスマートフォンから直接投票できるアプリを導入する予定だ。共同創設者のニモ・ナーマニ氏は、アプリはブロックチェーンによる認証を行い、不正な投票を防いで離島や地方など不便な地域での投票を後押しすることができると説明する。

金融界も注目する。ベイン&カンパニーが昨年公表した調査では、金融機関の幹部の約8割が、ブロックチェーン技術は市場に大きな影響を与え、2020年までには実際に活用されると見ている。

資産規模でインドネシア第2位のバンク・マンディリのデジタル技術ディレクター、リコ・ウサビア・フランス氏は、取引の決済にブロックチェーン活用をもくろんでおり、金融機関は当局のガイドライン設定を待っていると述べた。

政策当局者は、インドネシアの公的部門の不正撲滅にもつながると期待する。たとえば、農家向けの補助金は前年の収穫高によって決まるが、小規模農家が多いため正確な収穫高を算出するのは至難の業だ。このため、より多くの補助金を確保しようと収穫高見通しを過大に申告するケースも増えてしまう。そこで政府は、ブロックチェーン技術を受け取り手の情報認証に活用しようと検討している。

ムルヤニ財務相はロイター通信に対し、補助金分配やマイクロファイナンスに活用したい意向も明らかにし、「恩恵を受けるべき人々を確認するのに使えるようにしたい」と述べた。

ただ、税務署のテクノロジー担当幹部は「新しい技術の採用には時間がかかるだろう。クラウド技術ですらいまだに議論の最中なのに、ブロックチェーンは推して知るべしだ」と警告した。

ロイター

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