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カナダ中銀が緊急利下げ、政府は大規模支援策発表 新型コロナ対策

ロイター / 2020年3月14日 6時0分

カナダ中銀は13日、 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4日の利下げに続き0.5%ポイントの緊急利下げを決定した。写真は2010年6月、オタワのカナダ中銀前で撮影(2020年 ロイター/Chris Wattie)

[オタワ 13日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は13日、 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4日の利下げに続き0.5%ポイントの緊急利下げを決定した。同時に政府は100億カナダドル(72億米ドル)の企業に対する信用支援を実施すると表明。国民に対し不要不急の海外への渡航を控えるよう呼び掛け、感染の封じ込めに向けた対策を一段と強化した。

中銀は政策金利である翌日物金利の誘導目標を0.5%ポイント引き下げ0.75%にすると決定。今回の利下げで政策金利は2017年9月以来の低水準になった。

中銀は4日にも0.5%ポイントの利下げを決定しており、過去9日間で合計1%ポイントの緩和を実施。4日の利下げは約5年ぶりで、0.5%ポイントの大幅利下げは金融危機に見舞われた09年3月以来だった。世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が進む中、国内経済の下支えに向け必要なら追加利下げを行うとしていた。

中銀は声明で「新型ウイルスの感染拡大がカナダ経済と国民に深刻な影響を及ぼしていることは明らか」と指摘。加えて、4日以降の「原油価格の下落がエネルギー集約型の地域を中心に経済の大きな重しになる」と指摘。

「今回の緊急的な金利決定は、新型ウイルスの感染拡大、およびこのところの原油価格の急落に起因するカナダ経済へのマイナスの衝撃に対する積極的な措置となる」とし、「経済成長の支援とインフレ目標の維持に必要になれば、中銀理事会には金融政策をさらに調整する用意がある」とした。

ポロズ中銀総裁とモルノー財務相は緊急利下げと政府支援策の発表に当たり共同記者会見を実施。モルノー氏は「現在は異例の時で、こうした時に異例の措置を取る用意はできている」と述べた。

TDセキュリティーズのカナダマクロストラテジスト、ロバート・ボス氏は追加利下げの時期は「予想外だった」と指摘。「来週まで待ち、米連邦公開市場委員会(FOMC)と同時か、それ以降に行動を起こすと予想していた」と述べた。ただ「今週に入ってから、定例会合の間に利下げを決定する必要があることが明確になった」とし、「カナダ中銀は4月に再度0.5%ポイントの利下げを実施するとなお予想している」と語った。

中銀の緊急利下げを受け、カナダドル は一時軟化したが、その後は1米ドル=1.3890カナダドルまで上昇した。

トルドー首相は記者会見で「現在は新たな段階に入りつつあるようにみえる」と指摘。国民を経済的に支援すると表明し、「政府は近く大規模な財政刺激策を発表する」と述べた。

カナダ国内の新型ウイルス感染者数は13日時点で157人。前日の138人から増加した。感染による死者数はこれまでのところ1人。トルドー首相のソフィー夫人が新型ウイルスの検査で陽性反応を示したため、トルドー首相は自主的に14日間の隔離措置を取っている。この日の記者会見は異例に屋外で行われた。

カナダは感染拡大防止措置として、海外から到着する航空便の受け入れを特定の空港に限定するほか、乗客が500人以上のクルーズ船の入港を6月末まで禁止する。

このほか、今月30日に予定されていた予算案の提出を延期。新たな期限は今のところ設定されていないが、モルノー財務相は景気刺激策を来週に発表するとしている。

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