FRB、物価上昇でも先手売って緩和策解消せず=連銀総裁
ロイター / 2021年1月14日 2時39分
米セントルイス地区連銀のブラード総裁は13日、全ての事象から米インフレ率上昇が示唆されているとしながらも、連邦準備理事会(FRB)が超緩和的な金融政策を引き揚げる時期について言及するのは尚早との考えを示した。シンガポールで2018年10月撮影(2021年 ロイター/Edgar Su)
[13日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は13日、全ての事象から米インフレ率上昇が示唆されているとしながらも、連邦準備理事会(FRB)が超緩和的な金融政策を引き揚げる時期について言及するのは尚早との考えを示した。
ブラード総裁は「ロイター・ネクスト」会議でインタビューに応じ、マネーサプライが「爆発的」に急増すると同時に、財政赤字も大きく膨らんだとし、経済の過熱はすでに起きているか、間もなく発生すると指摘。新型コロナウイルスワクチンの接種が始まったことで感染による死者の減少が予想されるとし、リスク懸念の低減に伴い「経済に大きな影響が及ぶ」と述べた。
それでも、労働市場の回復には「長い道のりが残されている」と指摘。インフレ率の上昇が見込まれているにもかかわらず、FRBが先手を打って金融引き締めに着手することはないと述べた。
一部のFRB当局者は年内にも緩和策の引き揚げが可能になるとの見方を示しているが、ブラード総裁は状況を見極める必要があると指摘。「労働市場は劇的に改善したが、この先の道のりはまだ長い。特に大きな打撃を受けた業種で雇用が回復するには、ワクチン普及が必要になる」とし、経済が全体として「活況を呈すことは可能だが、実際にどのような展開になるのか見極めたい」と語った。
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