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日銀総裁、ETF買い入れ「実務的に判断」 具体論避ける

ロイター / 2021年5月13日 15時34分

日銀の黒田東彦総裁は13日、参議院財政金融委員会での半期報告で、経済の現状について、感染症の影響から引き続き厳しい状態だが「基調としては持ち直している」との認識を示した。写真は、日銀本店で会見する黒田総裁。2019年12月19日に撮影。(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 13日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は13日の参院財政金融委員会で、上場投資信託(ETF)の日々の買い入れについて、金融政策決定会合で決めた方針の下で、市場動向を見ながら実務的な判断で行っていると述べた。具体的な方針は市場に不測の影響を与えるとして言及を避けた。

半期報告を行った後、黒田総裁ら幹部が与野党議員の質問に答えた。日経平均株価が下げ基調を強める中、日銀の動向に注目が集まっている。黒田総裁は「数日間で株価がどれだけ下がったなど、機械的ルールで行っているわけではない」と述べた。日銀は5月に入ってから12日までETFを買い入れていない。

黒田総裁はETF買い入れについて、他の主要中銀が行っていない異例の措置だが、物価目標の実現に向けてETFなどのリスク性資産の買い入れを含む金融緩和は引き続き必要な施策だとの認識を示した。企画担当の内田眞一理事は、市場が大きく変動した時にまとめて大規模に行うのが効果的だと述べた。

黒田総裁は昨年後半以降の株高について、世界経済の回復期待や企業収益の改善予想が反映されているとの見方を示した。内田理事によると、保有ETFの損益分岐点は日経平均で2万1000円程度。

黒田総裁は、日銀の金融緩和による経済活動へのプラス効果が「国民各層に幅広く及んでいる」と述べた。その上で「金融面の不均衡のリスクを含め、様々なリスクに十分な注意を払いながら、適切な政策運営に努めていく」と語った。

黒田総裁は「超長期金利の過度な低下が経済活動に悪影響を及ぼす可能性を念頭に金融緩和を実施する」とも述べた。

<コロナ対応プログラム、「必要なら再延長」>

半期報告で黒田総裁は、経済の現状について、感染症の影響から引き続き厳しい状態だが「基調としては持ち直している」との認識を示した。先行きも外需の増加や緩和的な金融環境などで回復していくとみているが、見通しについては当面「下振れリスクが大きい」と述べた。

質疑応答で、黒田総裁は新型コロナウイルスの変異株の感染拡大について「影響を相当慎重に見ていく必要がある」と指摘した。内田理事は9月末に期限となる新型コロナ特別プログラムについて「必要であれば、さらなる延長も検討したい」と述べた。

黒田総裁は、2%の物価安定目標が実現していないことは「残念なこと」だが、実現に向けて最大限の努力していくと述べた。

<マイナス金利の金融機関収益への影響>

マイナス金利政策の金融機関収益への影響について、日銀の山田泰弘理事は「マイナス金利の影響だけを取り出すことは難しい」と指摘。その上で、金融機関の2019年度決算の当期純利益はマイナス金利を導入した15年度対比で約1.3兆円減少したと述べた。

日銀は地域金融機関の経営効率化を狙って3月に特別当座預金制度を始めた。山田理事は「(金融機関からの)応募はかなりの数に上った」と指摘した。ただ、日銀が金融機関に支払う利息の総額は、要件を満たした金融機関の数や預金残高によるため現時点で答えるのは難しいとした。

中央銀行デジタル通貨について、現時点で発行計画はないものの、日銀は4月から実証実験の第1弾を始めた。内田理事は「仮に中銀デジタル通貨発行する場合でも、需要のある限り現金の供給を続ける」との考えを示した。

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