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アングル:米企業は第3四半期に小幅増益へ、停滞気味の株価下支えに期待

ロイター / 2023年10月14日 8時9分

 第3・四半期の米企業利益は、底堅い経済情勢としっかりした消費需要を追い風に小幅ながら増加する見込みで、ここ数カ月停滞している株価の支えになってもおかしくない。写真はニューヨーク証券取引所で9月撮影(2023年 ロイター/Brendan McDermid)

Caroline Valetkevitch Lewis Krauskopf

[ニューヨーク 9日 ロイター] - 第3・四半期の米企業利益は、底堅い経済情勢としっかりした消費需要を追い風に小幅ながら増加する見込みで、ここ数カ月停滞している株価の支えになってもおかしくない。

LSEGのIBESデータによると、S&P総合500種構成企業の第3・四半期利益は前年同期比1.3%増加しそうだ。低調な伸びとはいえ、過去3四半期にわたる横ばい、ないし減益の局面は抜け出すことになる。

一方でS&P総合500種は年初来でなお約12%上昇しているものの、7月終盤の高値からは6%前後下がっているだけに、こうした企業利益動向が株価をてこ入れしてくれると期待する投資家もいる。

ジョン・ハンコック・インベストメント・マネジメントの共同チーフ投資ストラテジスト、マシュー・ミスキン氏は、株式市場にとってつらかった9月が終わったところで、決算発表シーズンから「何か良いニュース」をもらう必要があると指摘。金利と信認の面でショックを受けた後、経済は何とか踏ん張っているが、株価をサポートしてくれる具体的な業績の数字を手に入れなければならないと付け加えた。

もっとも足元の経済の頑健さが市場の地合いを好転させるとの期待も出ている。チェリー・レーン・インベストメンツのパートナー、リック・メックラー氏は、特に大手企業はある程度の物価高を消費者に転嫁し、かなり力強い利益率を維持できる立場にあるとの見方を示した。

<まだ高いPER>

米国株は、金利上昇が続き、米連邦準備理事会(FRB)による引き締めがより長引くとの懸念から9月と第3・四半期全体のいずれも主要3指数がマイナスに沈んだ。

この間、実質的にリスクフリーの米国債利回りが16年ぶりの高さに跳ね上がり、株式の投資妙味を低下させる一因にもなった。

ただ、12カ月予想利益に基づくS&P総合500種の株価収益率(PER)は、直近の株安を経てもまだ18倍弱と、長期平均の15.6倍を上回っている。

こうした中で投資家は、金利上昇が企業のコストを引き上げ、「借りる力」や「成長する力」が弱まった兆しが出ていないかどうかに注目するだろう。

ジョン・ハンコックのミスキン氏は「現下の企業利益が目減りし、金利が上がって経済成長見通しがやや下振れるなら、先行きの企業利益見通しはかなり大きく下方修正されることになると思う」と警戒感をにじませた。

第3・四半期決算の発表は、13日のJPモルガン・チェースなど幾つかの大手銀行が口火を切り、今月終盤から11月初めに集中する。

D・A・ダビッドソンのウエルス・マネジメント調査ディレクター、ジェームズ・ラガン氏は「銀行が非常に良い流れをつくれば、市場にとってプラスになるだろう」と述べた。

<AIブームを事業に生かせるか>

今回は、人工知能(AI)も再び重要なテーマになる公算が大きい。投資家は、各企業がAI開発を巡る楽観ムードを、それぞれの業績見通しに落とし込められるかどうかに目を向けるとみられる。

ラガン氏は「企業が(AIに)多額の投資をしているのは承知している。(そこで)彼らが具体的な事業として語り出せるだろうか」と問いかけた。

LSEGのデータによると、セクター別の第3・四半期増益率見通しは、通信サービスが33.8%と最も高くなっており、ハイテクは6.0%。

現時点でS&P総合500種企業の第4・四半期利益は10.8%増と予想されている。

しかしFRBが昨年3月以降に計525ベーシスポイント(bp)の規模で実施してきた利上げの影響が顕在化し始めるとともに、企業利益の足場も揺らいでくるのではないかとの見方も出ている。

1つの手掛かりになるのは、前年同期比で23.1%の増益が見込まれている一般消費財セクターだ。景気後退(リセッション)が間近に想定される事態になれば、真っ先に一般消費財向け支出が削減されると、ウエルススピア・アドバイザーズのシニアバイスプレジデント、オリバー・パーシェ氏は説明した。

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