豪5月就業者数は予想上回る、失業率低下 労働市場の堅調示す
ロイター / 2024年6月13日 13時4分
[シドニー 13日 ロイター] - 豪連邦統計局が13日発表した5月の雇用統計は、就業者数が予想以上に増加し、失業率が低下した。経済が停滞する中でも労働市場が依然として底堅いことが示された。
市場では、利下げ開始は来年第2・四半期になると予想されており、雇用統計が利下げ観測に大きな影響を与える可能性は低い。
統計を受け、豪ドルは対米ドルで0.6665米ドルの日中高値を付けたが、その後は発表前の水準である0.6651米ドルに後退した。
就業者数は前月比3万9700人増加。市場予想は3万人増だった。数カ月にわたって弱かったフルタイムの就業者数が4万1700人増加した。
失業率は前月の4.1%から4.0%に低下。市場予想と一致した。労働参加率は66.8%と歴史的高水準にとどまった。一方、多くの人が病気休暇を取ったことから労働時間は0.5%減少した。
INGのアジア太平洋地域調査責任者、ロバート・カーネル氏は「金融市場は年内の利下げ期待をほぼ捨てており、きょうの雇用統計が大きな影響を与えることはないだろう」と指摘。
労働市場は現在緩やかなペースで推移しており。弱い軌道に転じる可能性もあるが上向く可能性もあるとし、全体としてはややポジティブだとの見方を示した。
オーストラリア準備銀行(中央銀行)は来週開く理事会で、政策金利を5会合連続で4.35%に据え置くと予想されている。中銀は失業率が今年末までに徐々に4.2%に上昇するとみており、過剰な利上げで景気が一段と減速する事態を避けたい考えだ。
一方、インフレ抑制が困難になる兆しもある。4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比3.6%と3月の3.5%から予想外に加速し、5カ月ぶりの高水準となった。
ヴァンエックの投資・資本市場部門責任者、ラッセル・チェスラー氏は、雇用統計を受けて、利下げはまだ先になるという自身の見解が強まったと述べた。
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