米の成長には官民投資が必要、中国の補助金は過剰=米財務長官
ロイター / 2024年6月14日 8時55分
6月13日、イエレン米財務長官は、ニューヨーク経済クラブで講演し、米国で長期的に持続可能で包括的な成長を促すためには、民間資本を呼び込むような公共投資が重要だと述べた。(2024年 ロイター/Brendan McDermid)
Michael S. Derby David Lawder
[ニューヨーク/ワシントン 13日 ロイター] - イエレン米財務長官は13日、ニューヨーク経済クラブで講演し、米国で長期的に持続可能で包括的な成長を促すためには、民間資本を呼び込むような公共投資が重要だと述べた。また、政府が大規模な産業補助金を出す中国の経済モデルは世界にとって受け入れがたいものだと警告した。
イエレン氏は、共和党の伝統的な「サプライサイド経済学」モデルは投資を促進するために減税に頼りすぎており、労働者に十分な利益をもたらしていないと述べた。
講演原稿によると、イエレン氏は「政府の独断による強引な中央計画経済は持続可能な戦略ではないことをわれわれは経験を通じて学んだ」と発言。その上で、公共インフラ、教育、労働力訓練、政府が支援する基礎研究の重要性を無視した伝統的なサプライサイド経済学も同様に持続可能ではないとし、富裕層減税や規制緩和は国民全体の成長と繁栄を促進しなかったと指摘した。
代わりに、ビジネスを支援する環境を作り、民間部門の投資を促進するための公的介入を必要とする「現代版サプライサイド経済学」を提唱した。
イエレン氏は、2021年のインフラ投資法、22年の半導体投資法とクリーンエネルギー税額控除など、バイデン政権の主要な投資促進政策を強調。政権発足以来、米国では民間製造業に8500億ドル相当の新規投資が行われたと述べた。
同氏はまた、米中の経済アプローチを対比させ、戦略的産業に対する中国政府の過剰な補助金が、弱い内需をはるかに上回る製造能力過剰を助長していると指摘。
「もし中国がこのような道を歩み続ければ、健全な経済関係を築こうとするわれわれの努力を中国の政策が著しく妨害することになりかねない」と警告した。ただ、米中のデカップリングは米国の利益を損なうとの見解を改めて示した。
講演後、ロシアの対ウクライナ戦争を支援する取引に関与し、米国の対ロシア制裁に違反した中国の銀行に米財務省が制裁を課す可能性について記者に質問されたイエレン氏は、組織的な違反があれば制裁対象にするが、中国の大手銀行はそのような取引を警戒していると思うと述べた。
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