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アングル:ECB、10月利下げ観測後退 緩和の遅れ懸念する声も

ロイター / 2024年9月13日 15時53分

 欧州中央銀行(ECB)は9月12日の理事会で25ベーシスポイント(bp)の追加利下げを決定するとともに、特定の道筋に事前にコミットしないと表明した。昨年12月、フランクフルトで撮影(2024年 ロイター/Wolfgang Rattay)

Yoruk Bahceli Naomi Rovnick

[12日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は12日の理事会で25ベーシスポイント(bp)の追加利下げを決定するとともに、特定の道筋に事前にコミットしないと表明した。

これを受け、市場では10月の追加利下げ観測が後退。理事会直後、複数の関係筋はロイターに対し、経済成長見通しが大幅に悪化しない限り、10月の利下げの公算は小さいとの見方を示した。

市場が予想する25bpの追加利下げの確率は理事会前の30%超から20%前後に低下。年内の追加利下げ幅の予想は36bpから33bpに縮小した。

ダンスケ銀行のチーフアナリスト、ピエト・クリスチャンセン氏は「ラガルドECB総裁は望んだ通りのことを行った。つまり市場に波風を立てなかった」とし、「今のところ、四半期ごとに25bp前後の利下げという現在の市場予想に満足しているようだ」と述べた。

<FRBとの乖離>

市場は米連邦準備理事会(FRB)が年内に約100bpの利下げを実施すると予想しており、ECBとFRBの政策の乖離が市場にどう影響するかが焦点となっている。

市場は来年末までにFRBが10回の25bp利下げ、ECBが6回の25bp利下げを実施すると予想している。

FRBの政策は主に為替への影響を通じてECBの判断に影響するため、ECBはユーロ相場の動向を意識せざるを得ない。

ユーロ高が進めば、低迷するユーロ圏経済に悪影響が出る恐れがある。前出のクリスチャンセン氏は、FRBが来週、大幅利下げに踏み切れば、10月のECB理事会の重要度が高まると指摘している。

ただ、ロイターが最近実施したアナリスト調査では、ユーロの大幅な上昇は見込まれていない。来年2月末の予想レートは1ユーロ=1.11ドル、1年後の予想レートは1.12ドルにとどまっている。

マールボロの債券ファンドマネージャー、ジェームス・アティ氏は、ユーロを買い持ちにするには「世界経済が米国経済をアウトパフォームするという経済成長が進展する環境」を事実上、想定する必要があると指摘した。

ECBは今年と来年の経済成長予測を下方修正したものの、インフレ目標2%の達成は来年後半になるとみており、一部の市場関係者はECBの利下げが後手に回るリスクがあると指摘している。

プリンシパル・アセット・マネジメントのチーフグローバルストラテジスト、シーマ・シャー氏は「ECBの利下げが遅れれば、ユーロ圏に必要な景気押し上げ効果が得られないことになる。ファンダメンタルズの観点からは、欧州は世界の他の地域ほど投資妙味がない」と述べた。

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