堅調な米経済とインフレリスク、政策道筋変えず=連銀総裁
ロイター / 2024年11月14日 6時5分
米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は13日、連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制の「最後の1マイル」に差し掛かっており、物価上昇率はFRBが目標とする2%に収束しつつあるとの見解を示した。2022年1月撮影(2024年 ロイター/Joshua Roberts)
[13日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は13日、米経済の堅調さとインフレリスクの高まりは、一段と中立的な水準に向けて予想される金融政策の道筋を依然として変えていないとの考えを示した。
ムサレム総裁はメンフィス経済クラブでの講演後、記者団に対し「足元のデータは、経済が以前よりも、おそらく大幅に強くなっていることを示唆しており、インフレデータは全て若干高くなった」と指摘。
ただ「経済は、政策金利を徐々に緩和する余地を与える可能性が高く、中立金利がどこにあるかを理解し、見つけようと急ぐ必要はほとんどない」と述べた。
また、米金融政策は引き締められており、住宅などのセクターの重しとなっているものの、金融環境は総じて経済活動を支えていると言及。資本市場は「価格面でも、潤沢な資金調達量でも」引き続き企業に開かれているとし、「金融環境の総合的な状況は経済活動を支えると思う」との見方を示した。
これに先立ち、ムサレム総裁は、連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制の「最後の1マイル」に差し掛かっており、物価上昇率はFRBが目標とする2%に収束しつつあるとの見解を示した。
ただ、足元のデータはインフレ進展が鈍化もしくは反転するリスクの高まりを示唆しているとも指摘した。
ムサレム総裁は「現在の情報に基づく私の基本シナリオでは、インフレ率は中期的に2%に向けて収束すると予想する」とし、そうなればFRBは「慎重かつ忍耐強く」利下げを継続できると述べた。
ただ最近のデータは、「労働市場の望ましくない悪化のリスクは変わっていない、もしくは低下している可能性がある一方、インフレ率が2%に収束しない、もしくは上昇するリスクが高まっていることを示唆している」という認識を示した。
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