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EXCLUSIVE-英アームが値上げ計画、最大300% 自社半導体開発も検討

ロイター / 2025年1月14日 8時43分

 ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームは、ライセンス料を最大300%引き上げる長期戦略を策定し、自社半導体の設計についても議論した。非公開の裁判資料などで分かった。写真はアームのレネ・ハース最高経営責任者(CEO)。ニューヨークで2023年9月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

Max A. Cherney Stephen Nellis

[サンフランシスコ 13日 ロイター] - ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームは、ライセンス料を最大300%引き上げる長期戦略を策定し、自社半導体の設計についても議論した。非公開の裁判資料などで分かった。

アームはアップル、クアルコムなどが自社半導体の設計に使用する知的財産のライセンスを供与し、アームの技術を使って製造された半導体に対し使用料を請求している。

スマートフォンやエネルギー効率の高いデータセンター向け半導体の台頭における重要な役割にもかかわらず、同社は顧客に比べて小規模にとどまっている。アームの2024年度売上高が32億3000万ドルだったのに対し、同社の技術に基づく半導体を搭載したアップルのハードウエア製品の直近会計年度売上高は90倍以上だった。

だが、アームがライセンスを巡りクアルコムを相手取って起こした裁判で先月に明らかになった計画によると、アーム株の90%を保有するソフトバンクGの孫正義会長兼社長とアームのレネ・ハース最高経営責任者(CEO)はこうした状況を変えることを目指している。

非公開の幹部証言によると、少なくとも2019年にさかのぼる計画で、アームはスマホ向けの年間売上高を約10年間で10億ドル前後拡大することを目指している。

最新のアーキテクチャ「Armv9」を使用した設計の既製部品に対して顧客が払う使用料の引き上げなどを通じて達成する計画で、裁判ではアーム幹部が300%引き上げについて議論した19年8月の文書が提示された。

裁判での証言や資料によると、同社幹部が議論した計画にはアーム独自の完全な半導体設計を目指す可能性も含まれた。同社は半導体の設計図を販売しているが、顧客の大半は数カ月をかけて設計を完成させている。

裁判でクアルコムの弁護士は、ハース氏がCEOポストに応募した22年2月にアーム取締役に行ったプレゼンテーションで、ビジネスモデルの変更を提案したことを示す資料を提示した。それによると、同氏は半導体設計図だけでなく、チップや「チップレット」も販売すべきとした。

また、証言や資料によると、ハース氏はこの数カ月前に別の幹部との会話で、アームが市場にチップを投入すれば顧客と競争できると自信を示していたという。

ハース氏は裁判でこれらの発言について、多くの経営幹部が同僚や取締役会メンバーとの会話で出し合う長期戦略の思いつきだとして重要視しない姿勢を示した。

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