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減産合意でも原油上昇は小幅、依然供給が過剰=アナリスト

ロイター / 2020年4月13日 17時32分

4月13日、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国で構成する「OPECプラス」が大幅な減産で合意したにも関わらず、原油相場の上昇は限定的なものにとどまった。米テキサス州の油田で2019年11月撮影(2020年 ロイター/Angus Mordant)

[シンガポール 13ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国で構成する「OPECプラス」が大幅な減産で合意したにも関わらず、13日の原油相場の上昇は限定的なものにとどまった。業界ウオッチャーによると、このことは、市場の需給バランスを取り戻すにはまだ、需要の急減という大きな課題が残っていることを示しているという。

「OPECプラス」は5─6月に日量970万バレルの減産を行うことで最終合意。これは金融危機時の2008年に決定した減産量の4倍以上であり、世界供給量のほぼ10%に相当する。

にも関わらず、原油価格の上昇は5%未満で、年初来の下落率は依然として50─60%に上る。

石油連盟の月岡隆会長はコメントを発表し、「今回、OPECプラスが中心となり世界の産油国が協調して減産合意に至ったことについては、今後世界の石油市場安定化に向けた取り組みとして一定の評価ができる」と指摘。そのうえで「減産幅については残念ながら市場の期待値まで届かず原油価格が依然として低迷している。今後もOPECプラスには市場の安定化に向けた継続的な協議を期待したい」とした。

アナリストらは、減産によって原油価格は下支えされるものの、反転上昇させるには力不足と指摘する。ゴールドマン・サックスなどによると4月の需要減少量は日量3000万バレル近いとみられ、減産量は需要減少量に到底及ばないという。

さらに、世界各国が移動制限やロックダウン(都市封鎖)措置の延長を検討するなか、燃料需要も急減している。

エナジー・アスペクツのアナリストは、エンドユーザーの需要減で在庫が急速に積み上がっている点を指摘。「米国や他の20カ国・地域(G20)メンバーからの確たるコミットメントがないことも、減産合意の効果を殺いでいる」と述べた。

シンガポールの石油トレーダーも「OPECプラスの減産でペースは緩やかになるものの、原油の積み上がりは続くだろう」と指摘した。

このトレーダーは、次に市場が注目するのは米エネルギー省が発表する戦略石油備蓄(SPR)の増加量だという。「多くの国で、SPRはほぼ一杯だ。中国は多少の余裕があると思うが、それ以外の国に余力があるかは疑問だ」と述べた。

世界最大の石油輸入国である中国は、他国の動きとは一線を画している。新型ウイルス感染拡大の震源地となった中国は、危機からいち早く抜け出しており、国内の製油所は今月、生産量を前月比10%拡大する方向にある。

エナジー・アスペクツのアナリストは「中国は回復しているだろうが、市場のバランスを取るために石油製品を輸出する必要がある。つまり、結局は原油価格の圧迫材料となる。問題は供給側ではなく、需要面にあるからだ」と指摘した。

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