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シンガポール中銀、追加引き締め決定 持続的なコスト圧力警戒

ロイター / 2022年10月14日 11時31分

 10月14日、シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は、今年4度目となる金融引き締めを決定した。シンガポールで2020年7月撮影(2022年 ロイター/Edgar Su)

[シンガポール 14日 ロイター] - シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は14日の定例会合で、今年4度目となる金融引き締めを決定した。14年ぶり高水準のインフレを抑制する狙い。

MASは「シンガポールドル名目実効為替レート(SドルNEER)」として知られる政策バンドの3つのレバー(傾き、中央値、幅)を通じて政策を調整しており、政策バンドの中央値を実勢水準にシフトさせることを決めた。バンドの傾きと幅は変更しないとした。

これを受けてシンガポールドルは対米ドルで約0.3%上昇した。

MASは今年、4月の定例会合のほか、1月と7月の臨時会合で金融引き締めを決定。昨年10月からでは5度目となる。

一部アナリストは追加の政策発動もあり得ると予想。OCBCのトレジャリー調査・戦略部門責任者、セレナ・リン氏は、MASは政策引き締めに1つのレバーを使っただけだが、来年4月の定例会合では「さらなる弾薬が来る」可能性があると指摘した。

MASは、これまでの引き締めが輸入インフレをさらに低下させるとの見通しを示しつつ、持続的なコスト圧力を警戒。声明文は「輸入インフレは依然として大きく、逼迫した労働市場が力強い賃金上昇を支えるため、コアインフレは今後数四半期にわたって高止まりするだろう」と指摘した。

また、「シンガポール経済は世界的な需要減退と連動して成長ペースが鈍化するだろう」とした。

中銀が注視するコアインフレ率は8月に前年比5.1%上昇し、伸びは7月の4.8%から加速した。

MASは、コアインフレ率は年内と来年初めにかけて5%近辺で推移するとの見通しを示した。

シンガポール貿易産業省がこの日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、前年比4.4%増で、伸び率は市場予想の3.4%を上回った。季節調整済みの前期比では1.5%増加した。

MASは、シンガポールの主要貿易相手国は2023年にプラス成長を維持するとの見通しを示しつつ、「地政学的緊張を含むさらなる衝撃がインフレ率を上昇させ、いくつかの主要経済国で通年の景気後退を引き起こす可能性がある」とした。

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