欧州委員長、域内の風力発電セクター向け追加支援表明

　９月１３日、欧州連合（ＥＵ）は、域内の再生可能エネルギー事業者がインフレなどの逆風に直面している事態を踏まえ、風力発電セクター向けに追加の包括的な支援措置を講じる。ＥＵ欧州委員会のフォンデアライエン委員長、ブリュッセルで撮影（２０２３年　ロイター／Yves Herman）

Kate Abnett

[ブリュッセル １３日 ロイター] - 欧州連合（ＥＵ）は、域内の再生可能エネルギー事業者がインフレなどの逆風に直面している事態を踏まえ、風力発電セクター向けに追加の包括的な支援措置を講じる。ＥＵ欧州委員会のフォンデアライエン委員長が１３日に表明した。

フォンデアライエン氏は欧州議会での演説で「迅速承認の件数を増やし、ＥＵ全体の入札システムを改善するとともに、専門技能や資金調達、安定したサプライチェーン（供給網）に力を注ぐ」と述べた。

ＥＵは再生可能エネルギーの普及を世界で最も積極的に推進する地域の一つ。現在は２０３０年までに域内のエネルギー生産の４２．５％を再生可能エネルギーで賄うことを義務化する手続きの最終段階に入っている。

ただ欧州の洋上風力発電業界は、このままでは目標とされる電力を供給できず、事業を軌道に乗せるために政策支援が必要だと訴えてきた。

事業者が歴史的な物価高や金利高騰、発電施設設置海域の使用料引き上げ、エネルギー市場の不安定化などに見舞われた結果、昨年は欧州の洋上風力発電施設に対して最終的に決まった投資額が１０年ぶりの低水準にとどまった。

業界団体ユーレレクトリックは、今回の追加支援発表を歓迎しつつも、大量の再生可能エネルギー流入に対応できる域内の送電網更新を早急に後押ししてほしいと要望した。