中国軍が台湾包囲演習、「主要港・地域制圧」想定し空母も参加
ロイター / 2024年10月14日 20時55分
Ben Blanchard Yimou Lee
[台北/北京 14日 ロイター] - 中国人民解放軍は14日、台湾を包囲する形で軍事演習を実施した。台湾の頼清徳総統が建国記念日に相当する双十節の演説に反発した対抗措置とされ、空母も派遣する大規模な演習となった。
演習は「連合利剣―2024B」と称し、5月に頼氏が総統に就任した直後に2日間実施した「連合利剣―2024A」の第2弾という位置付け。14日早朝に開始し、当初、演習の期間は明らかにしていなかったが、同日夜に終了を発表した。
今回の演習について、人民解放軍東部戦区司令部は「台湾独立勢力の分離主義的行為」に対する警告と説明した。
中国国営メディアによると、今回の演習には台湾の主要な港や地域の制圧を想定した訓練が含まれていた。人民解放軍東部戦区司令部が公表した地図には、台北、基隆、花蓮、台中、台東、高雄を示す点がある。演習区域はそれらの都市に沿う形で東岸沖に2区域、西岸沖に3区域、北に1区域、さらに中国本土に近い離島周辺に3区域の計9区域設定された。
東部戦区は、艦隊、駆逐艦、航空機が台湾に「さまざまな方向から」接近し、海空戦闘態勢の哨戒、主要な港湾や地域の封鎖、海上と地上の目標への攻撃、「包括的優位の共同掌握」に重点を置いた訓練を行っているとし、空母「遼寧」を中心とする打撃群が台湾の東で行動していると確認した。
<中国海警局船、台湾本島を周回>
中国国営中央テレビ(CCTV)によると、5月に続き演習に参加した海警局は、台湾本島を周回した。台湾の離島、馬祖島と東引島の沖合で「法執行」パトロールを行い、馬祖島の「制限水域」に初めて進入し、台湾当局が設定した境界線を「完全に破った」と伝えた。CCTVは海警局が「今後、馬祖周辺で定期的な法執行パトロールを実施する可能性がある」とした。
中国国営メディアは、ロケット部隊がミサイル発射のシミュレーションを行い、戦闘機が「空襲回廊を開設」し、爆撃機が長距離任務を遂行したと伝えた。
人民解放軍は、2022年にペロシ米下院議長(当時)が台湾を訪問した際も大規模な演習を行った。
中国外務省の毛寧報道官は14日の定例会見で軍事演習に関する質問に、台湾の独立は台湾海峡の平和とは相容れないものであり、「台湾独立」勢力の挑発には必然的に対抗することになると述べた。
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