中国新規銀行融資、9月は1.59兆元に増加 予想には届かず

[北京 １４日 ロイター] - 中国の銀行の９月の新規人民元建て融資は１兆５９００億元（２２４５億６０００万ドル）で、８月から７７％増加したが、予想には届かなかった。エコノミストは、与信や経済の回復には政府の財政出動が必要と指摘している。

中国人民銀行（中央銀行）が発表した１─９月のデータを基にロイターが算出した。

ロイターがまとめたアナリスト予想は１兆８７００億元。８月は９０００億元、昨年９月は２兆３１００億元だった。

１─９月の新規融資は１６兆０２００億元。

９月末の元建て融資残高は前年比８．１％増。８月末は８．５％増だった。

マネーサプライＭ２の前年比伸び率は６．８％。８月の６．３％から上昇しアナリストの予想（６．４％）を上回った。

広義の与信・流動性を示す社会融資総量は３兆７６００億元。アナリスト予想は３兆７３００億元。８月は３兆０３００億元だった。前年比伸び率は８．０％。８月は８．１％だった。

中国政府は、今年の経済成長目標達成に向け、財政支出を拡大する方針を示している。  

キャピタル・エコノミクスは「金融緩和や国債増発にもかかわらず、９月の社会融資総量、銀行融資はともに低水準だった。人民銀行は政策緩和を継続するだろうが、借り入れ需要をさほど押し上げないとみられる。与信の伸びの回復、ひいては経済活動の回復には政府借り入れの拡大が必要だ」と述べた。

一方、国泰君安国際のチーフエコノミスト、Zhou Hao氏は、最近の景気刺激策の効果で１０月の与信データは改善するとみている。