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為替市場、金利差よりリスク許容度で動いている=神田前財務官

ロイター / 2025年1月14日 14時19分

1月14日、神田真人前財務官(次期アジア開発銀行総裁=写真)は都内で講演し、足元の為替市場について「金利差よりもリスク許容度で動いている」と指摘した。為替市場の見通しに関し、「日本が競争力・生産性を高めれば、円の価値は10─20年の長期スパンで回復する可能性がある」と主張した。2022年1月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

Yoshifumi Takemoto

[東京 14日 ロイター] - 神田真人前財務官(次期アジア開発銀行総裁)は14日、都内で講演し、足元の為替市場について「金利差よりもリスク許容度で動いている」と指摘した。為替市場の見通しに関し、「日本が競争力・生産性を高めれば、円の価値は10─20年の長期スパンで回復する可能性がある」と主張した。

神田氏は「投機家から日本の競争力は回復しないと目を付けられれば、ガーンと(円安進行が)行ってしまうかもしれない」と警鐘を鳴らした。

もっとも、短期的な為替見通しに関しては「市場には森羅万象、いろいろな要因があり、分からない」と述べるにとどめた。

神田氏は、為替は市場に委ねて介入すべきではないというのが先進国の共通意見としつつ、「普通の人が困る急激な変動に対しては行動が必要」と介入の必要性を正当化。自身が財務官在任中の2022年秋に実施した介入で「円安トレンドが転換した」と強調し、為替介入は効果がないとの批判をけん制した。

コロナ禍で各国が打ち出した財政出動により、各国で政府による財政支援を常に期待する「フリーランチ・モラルハザードが起きている」とも指摘した。

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