日本郵政株売却、市場に広がる不安 描けぬ成長の道筋

ロイター / 2017年9月14日 17時18分

 9月14日、今月中に予定されている日本郵政株の2次売却をめぐり、市場に不安が広がっている。写真は都内で1月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 14日 ロイター] - 今月中に予定されている日本郵政<6178.T>株の2次売却をめぐり、市場に不安が広がっている。最大1.3兆円の大規模売り出しだが、最大の買い手とみられる個人投資家の頭からは、豪社買収に伴う巨額損失計上という「負のイメージ」が拭い切れていない。将来の成長性に不透明感が強くなっており、機関投資家も指数連動型ファンド以外の需要を見出しにくいようだ。

<冷ややかな個人投資家>

「今は迷っている」──。東京都北区に住む株式投資歴30年の70代の女性は、日本郵政の2次売却株を購入するか悩んでいる。2015年11月の上場時に日本郵政株を購入したが、子どもへの贈与分を除いて短期間で売却、利益を得たという。

しかし、「資産がある企業であり、業務も手広くやっているといっても、本業はいまいち。長期で持つにはいいかもしれないけれども、良い株は他にもある」と今は慎重だ。株価が一段と上昇するイメージは描けず、1100円ぐらいまで株価が下がれば購入してもいいと話す。

日本郵政の株価は上場直後は好調で、公募価格1400円に対し、15年12月には1999円まで上昇した。しかし、その後は軟化。16年6月には1170円まで下落した。足元では公募価格付近まで戻しているが、この間、日経平均<.N225>は約6%上昇しており、出遅れ感は否めない。

埼玉県に住む会社役員、秋葉仁氏(70)は、日本郵政株の購入に関心はないとしたうえで「震災の復興財源を確保するという用途については賛成だが、なぜ今のタイミングなのか」と疑問を呈す。「もっと株価が高い位置にある時に売り出しをしてもいいはず。国有資産でもあり、もう少し有効に活用するべきだ」と述べた。

<海外買収戦略の挫折>

日本郵政の17年6月末の自己資本は、13兆4796億円。国内では有数の規模を誇る。2次売却後、政府の保有比率は約80%から50%台後半に低下するものの、筆頭株主は政府だ。

神奈川県に住む小林茂人氏(73)は、日本郵政株の買い増しを検討している。低金利環境の中で「銀行預金よりは保有していた方がいい」と話す。政府が大株主で「倒産リスクは少ない。安心できる銘柄」とポジティブに捉えている。

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