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エクイティ積み増す、クレジット資産を増加=富国生命20年度計画

ロイター / 2020年4月15日 7時42分

 4月14日、富国生命保険の2020年度の一般勘定の運用方針では、世界的な金利低下を背景に国内株式や外国株式等を中心にエクイティ資産を積み増す。写真は都内の株価ボード、2018年11月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

坂口茉莉子 佐野日出之

[東京 14日 ロイター] - 富国生命保険の2020年度の一般勘定の運用方針では、世界的な金利低下を背景に国内株式や外国株式等を中心にエクイティ資産を積み増す。外債は為替ヘッジ付きを縮小させる一方、オープンと外国債投信を積み増す見込み。日本国債は減額を継続し、償還分を社債に向ける方針だ。

小野寺勇介・財務企画部長が14日、ロイターとのインタビューで述べた。

<内外株に積極投資>

今年度の国内株式は200億円の積み増しを見込んでいる。株価動向をにらみながら安定した配当が見込める銘柄を選別していく方針だ。

小野寺氏は「リターンの面では株式の方が債券よりも高い。一方で、新型コロナウイルスの影響でボラティリティーが高いことから、ヘッジの高度化により、適切にリスクコントロールをしていく」と述べた。

外国証券(外国株や国内外の投資信託を含む)は500億円の積み増しを見込んでおり、ポートフォリオ利回りの向上が期待できる案件に投資していく。米連邦準備理事会(FRB)による政策により市場に安定の兆しが見える中、インカムゲインだけではなく、キャピタルゲインもねらう。

不動産については300億円の増額を見込む。中長期にわたり安定した賃料収入が見込める物件に投資していくとしている。

新型コロナウイルスが終息したとしても、「株式投資への積極度合いは多少変わるものの、現状の運用計画が大きく変わることは想定していない」と、小野寺氏は話す。

<オープン外債を積み増し、売られすぎの社債も>

今年度のヘッジ付外債は600億円の減少計画を見込んでいる。オープン外債と外国債券投信にヘッジ付き外債の償還金を振り向ける予定で、それぞれ300億円の積み増しを見込んでいる。

昨年度の運用計画では、円高に備える局面を想定し、オープン外債からヘッジ付外債へのシフトを進めていた。しかし、足元のドル・円は円高が進行していない状況が続いていることから「ヘッジコストをかけてリターンを減らすよりも、為替オープンで外債を取得する方が適切」(小野寺氏)との見方から、オープン外債と外国債券投信の積み増しを決めた。

世界的な国債の利回りの低下を背景に、社債など内外のクレジット資産への投資は今年度計500億円増加の計画だ。円建ては200億円、外貨建ては300億円を予定している。外貨建てについては、市場規模が大きい米国や欧州が中心となる。

小野寺氏は「社債のスプレッドの拡大幅はリーマン・ショック以降で最大となっているものの、個々の銘柄をみると売られすぎている銘柄が散見される。そういった銘柄を丁寧に拾っていく」と述べた。

新型コロナウイルスの影響で各国の財政政策が強化される中、公的債務の増加が懸念されている。

小野寺氏は「世界的な金融緩和により資金が潤沢であることに変わりはない。世界中で運用難が続いている中、金利が跳ね上がる局面があれば、投資資金が入ってくるとみている。急速な金利上昇が進むとはイメージしづらい」との見方を示した。

<日本国債は300億円減見込む>

円建て公社債は100億円の減少方針。15年度運用計画以来6年連続で円債投資を抑制する。

そのうち、日本国債については300億円の減少を見込む。減少分は償還がほとんどだが、償還金は社債に向け、国内社債については200億円の増額とする計画だ。

20年度の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。▼はマイナス。

日本国債10年物利回り ▼0.30―0.20%(年度末0.00%)

日本国債20年物利回り 0.00―0.60%(同0.30%)

米10年債利回り    0.30─1.70%(同1.0%)

日経平均        16000─23000円(同21000円)

米ダウ         18000─27000ドル(同24000ドル)

ドル/円        95―115円(同108円)

ユーロ/円       105―130円(同120円)

(編集:内田慎一)

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