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中国輸入、6月はコロナ危機後初のプラス 輸出も増加

ロイター / 2020年7月14日 16時5分

 7月14日、中国税関総署が発表した6月の貿易統計によると、輸入は今年、新型コロナウイルス危機に見舞われて以降初めて増加に転じた。写真は2018年4月、輸出入品の見本市・州交易会で撮影(2020年 ロイターF/Tyrone Siu)

[北京 14日 ロイター] - 中国税関総署が発表した6月の貿易統計によると、輸入は今年、新型コロナウイルス危機に見舞われて以降初めて増加に転じた。政府の景気支援策を受けてコモディティ(商品)の需要が急増したことが背景。輸出も海外のロックダウン緩和を背景に予想外のプラスとなり、中国経済の回復が勢いを増していることが示された。

輸入はドル建てで前年比2.7%増。ロイターがまとめたアナリストの予想(10%減)に反してプラスとなった。5月は16.7%減だった。

輸出は前年比0.5%増加。アナリストの予想は1.5%減、5月は3.3%減だった。

ダッカー・フロンティアの中国担当アナリスト、Boyang Xue氏は「輸入の大幅な改善は、これまで不動産セクターやインフラ事業への投資拡大がけん引してきた景気回復のペースが加速している兆候だ」と述べた。

実際、6月は鉄鉱石の輸入量が33カ月ぶりの高水準となったほか、原油も月間および日量換算で過去最高を記録した。

キャピタル・エコノミクスの中国エコノミスト、マーティン・ラスムセン氏は、政府の財政出動が内需を押し上げるとして、輸入の回復が続くとみている。

米国からの輸入は11.3%増加。コロナ危機で2桁の落ち込みが続いていたが、プラスに転じた。

税関総署の報道官は会見で「突然の感染拡大で厳しい状況にあるが、われわれは引き続き自らの約束を守り、(貿易)合意を実行している」と述べた。

ただ、トランプ米大統領は10日、中国との第2段階の通商合意に進む可能性について「現時点で考えていない」と述べている。

6月の対米貿易黒字は294億1000万ドルと、5月の278億9000万ドルから増加した。

<海外の経済再開で輸出も増加>

中国経済は第1・四半期に記録した6.8%のマイナス成長から徐々に回復しつつある。ただ、新型コロナの影響で世界的に需要が低迷する中、回復の足取りは依然として不安定だ。国内消費も、失業の増加や感染第2波への懸念から引き続き抑制されている。

輸出は一部のアナリストが懸念していたほど深刻な影響を受けていない。それでも輸出受注の弱さは今後数四半期にわたって製造業部門を圧迫する可能性がある。

ダッカー・フロンティアのXue氏は「西欧諸国の経済再開やマスクなど防護具の海外からの需要増加が6月の輸出を支援した」と指摘。「貿易競合国の生産障害も中国の輸出業者の受注増につながった」との見方を示した。

欧州などでは経済活動が再開されているが、それに伴い、感染が再び拡大し規制が再導入される例も相次いでいる。

キャピタル・エコノミクスのラスムセン氏は、前年比で30%を超える増加となっているマスクや医療器具、在宅勤務関連の輸出は今後減速基調となり、全体の輸出も近いうちに減少に転じるとみている。

上海財経大学の高等研究院は11日付のリポートで、米中関係の悪化や世界的な需要低下、サプライチェーンの障害といった外的リスクが、中国の長期的な貿易見通しを圧迫すると予想。

「下期の輸出と輸入の伸びは上期と同様にマイナスとなる可能性が非常に高い」という。

6月の貿易収支は464億2000万ドルの黒字。市場予想は586億ドルの黒字、5月は629億3000万ドルの黒字だった。

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