米輸入物価、8月は予想上回る+0.9% インフレ圧力上昇
ロイター / 2020年9月16日 4時44分
[ワシントン 15日 ロイター] - 米労働省が15日発表した8月の輸入物価指数は前月比0.9%上昇し、予想の0.5%上昇を上回った。前月の上昇率も大幅に上方改定され、インフレ圧力が高まっているという見方を裏付けた。
先週発表された消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数も上昇が続いていることが示されていた。ただ、労働市場が緩む中で米連邦準備理事会(FRB)が新型コロナウイルス危機からの回復を支援するための金融緩和策を抑制する可能性は低いとみられる。
PNCフィナンシャルの首席エコノミスト、ガス・フォーシャー氏は「複数の産業で生産のボトルネックが確認される半面、経済全体には大規模な未利用の生産能力が存在しており、短期的にインフレを抑制する」との見方を示した。
7月の輸入物価は、前月発表の0.7%上昇から1.2%上昇に改定された。8月の前年比は1.4%下落。7月は2.8%下落していた。
内訳では、燃料・潤滑油が3.3%上昇。7月は15.1%上昇していた。石油製品は2.9%上昇。7月は16.5%急騰した。食品は0.4%上昇し、7月の0.9%下落から反転した。
燃油・食品を除くコア輸入物価は、7月の0.3%から0.7%に上昇が加速。2011年4月以来の伸びとなった。前年比では0.9%上昇。ドルが6月以降、主要貿易国通貨に対し約3.6%下落していることを背景に、伸びは今後も加速する公算が大きい。
中国からのモノの輸入物価は横ばい。7月は0.2%上昇。前年比では0.3%下落した。
輸入資本財は0.1%上昇。自動車は0.1%、自動車を除く消費財は0.2%それぞれ上昇した。
輸出価格は0.5%上昇。非農産品が上昇する一方、農産品は下落した。7月は0.9%上昇だった。前年比では2.8%下落。7月は3.8%下落していた。
*内容を追加しました。
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