焦点:「チーム名は魂」、中国サッカーファンが変更に猛反発
ロイター / 2021年2月15日 14時17分
中国サッカーの「スーパー(超級)リーグ」(CSL)が2021年シーズンの開幕を迎える頃、リーグの状況は、昨年12月初めに江蘇蘇寧が広州恒大淘宝を破って初タイトルを獲得したときとは大きく変わっているだろう。写真は2013年11月、広州のスタジアムで応援する広州恒大淘宝のサポーターたち(2021年 ロイター/Bobby Yip)
Michael Church
[香港 5日 ロイター] - 中国サッカーの「スーパー(超級)リーグ」(CSL)が2021年シーズンの開幕を迎える頃、リーグの状況は、昨年12月初めに江蘇蘇寧が広州恒大淘宝を破って初タイトルを獲得したときとは大きく変わっているだろう。
4月に予定される開幕に先立って、中国サッカー協会は2年前に検討が始まった「中立名称ルール」の導入を決定した。プロチームは、チーム名及びエンブレムから企業スポンサーを示す要素を排除しなければならない、という規定である。
<巨額の選手スカウトに歯止め>
この10年の大半を通じて、サッカーに関与しようという企業の熱が高まり、それに伴って国内外のスター選手獲得に向けて巨額の資金が動くようになった。今回の措置はこの流れに歯止めをかけようとする試みとされているが、反応はさまざまだ。
5つのクラブ、すなわち天津泰達、北京国安、上海申花、河南建業、杭州緑城のサポーターグループは結束し、協会に対し、各チームにもっと選択の余地を与えるよう働きかけている。
上海申花のサポーターであるリュー・シャオミンさんは、「協会がサッカーを大切に思い、その文化を理解していれば、20年も変わらず使ってきた名称を変更する必要はないはずだ」と話す。
北京国安のサポーターらは資金を出し合い、クラブ名称の存続を願って、バスの側面に挑戦的な意見広告を掲げた。河南建業のサポーターは、スタジアムの外で抗議行動を起こしている。
天津泰達のサポーターであるサム・ワンさんは、過去に同クラブでプレーした外国人選手に声をかけ、運営側にクラブの歴史を捨てないよう求める動画を制作した。
この動画には、元ウルグアイ代表のグスタボ・マトサス氏やエイドリアン・パズ氏、元チリ代表のルイス・ビジャヌエバ氏の姿もあった。
ワンさんは、「サッカーは、労働者階級に支えられた人民のスポーツであるべきだ。今回のような強制的な名称変更があれば、私が中国のサッカーに抱いていた印象が完全に変わってしまう」と話す。
<チーム名は我が歴史>
一部のクラブでは、スポンサー企業の名称を外すことを求める圧力は、チームがもっと伝統的なあり方に回帰する道を開くポジティブな動きだと受け止められている。
昨年の中国FAカップの覇者である山東魯能は先日、2021年に向けて名称を山東泰山とする決定を発表した。CSL発足前の名称に戻す動きである。
アジアチャンピオンに2回輝き、過去10年の中国サッカー界でも最有力クラブだった広州恒大淘宝は広州FCとなり、同じ年のライバルである広州富力は「広州城」と改名した。
どちらのクラブも、オーナーは大手不動産開発企業である。
2019年にはレアルマドリードからガレス・ベイルを獲得しようとして失敗したことで話題になった現王者の江蘇蘇寧は、すでにオーナー企業の名称を外し、今後はシンプルに江蘇FCと呼ばれることになる。
現在の名称をそのまま維持すると予想されるのは、上海申花1チームだけである。中国サッカー界における長年の地位と、オーナーが何度か代わってきたにもかかわらず、2001年以降、名称を変更していない事実が背景にある。
天津泰達サポーターのワンさんの場合、天津泰達が「天津津門虎」に名称変更するという発表を聞いて、もう応援することはできない、と感じたという。
「あの名称は私にとっての歴史だ。私が応援していたクラブは消滅してしまった」と彼は言う。「とても辛い思いだ」
(翻訳:エァクレーレン)
この記事に関連するニュース
-
中国日系企業の地域分布ランキング、上海・江蘇・広東で約半数占める
Record China / 2024年5月3日 13時30分
-
「中国日系企業の地域分布ランキング」調査結果を発表 上海市・江蘇省・広東省の3地域に集中していることが判明
@Press / 2024年4月30日 11時30分
-
28省区市が人口データ発表、人口流動・出生人口に見られる特徴は?―中国
Record China / 2024年4月17日 19時30分
-
中国の地方別人口、2023年は発表済み28省のうち増加は9省のみ―中国メディア
Record China / 2024年4月14日 16時0分
-
28省・自治区・直轄市が人口データ公表、人口流動や出生数の特徴は?―中国
Record China / 2024年4月11日 17時20分
ランキング
-
1プーチン大統領の就任式、日本は出席せず=林官房長官
ロイター / 2024年5月7日 16時44分
-
2中国軍機、照明弾で豪ヘリ妨害=高度差60メートル、「危険」と抗議
時事通信 / 2024年5月7日 9時36分
-
3プーチン大統領、通算5期目の就任式…6年の任期全うならスターリンに匹敵する統治期間に
読売新聞 / 2024年5月7日 18時48分
-
4イスラエル軍、ラファ検問所のガザ側掌握と発表 支援の重要拠点
ロイター / 2024年5月7日 17時49分
-
5プーチン大統領、5期目就任式 ウクライナ侵攻の正当性強調も…政権運営の不安要素は
日テレNEWS NNN / 2024年5月7日 19時23分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください