原油先物は1年1カ月ぶり高値、中東の緊張巡る懸念で
ロイター / 2021年2月15日 14時45分
アジア時間の原油先物は大幅に上昇し、約1年1カ月ぶりの高値を付けた。写真は、イラク・バスラ近郊のアルズバイル油田の概観。2020年4月21日に撮影。(2021年 ロイター/Essam Al-Sudani)
[東京 15日 ロイター] - アジア時間の原油先物は大幅に上昇し、約1年1カ月ぶりの高値を付けた。イエメン内戦でイランが支援する武装組織フーシと戦うサウジアラビア主導の有志連合軍が、フーシが発射した無人機を迎撃したと発表したのを受け、中東で緊張が再び高まるとの懸念が相場を押し上げた。
米国の追加景気対策や新型コロナウイルス感染抑制のためのロックダウン(都市封鎖)の緩和への期待も相場を支えた。
0428GMT(日本時間午後1時28分)時点で北海ブレント先物は1.09ドル(1.8%)高の1バレル=63.52ドル。一時は63.76ドルと、2020年1月22日以来の高値を付けた。
米WTI先物は1.28ドル(2.2%)高の60.75ドル。一時は昨年1月8日以来の高値となる60.95ドルを記録した。
国営テレビによると、サウジ主導の有志連合軍は14日遅く、フーシがサウジに向けて発射した爆発物を搭載したドローンを迎撃し、破壊したと発表した。
フジトミの斎藤和彦チーフアナリストはサウジのニュースを受けて原油価格は序盤に急伸したと指摘。米国の景気刺激策とロックダウン緩和が景気浮揚と燃料需要の押し上げにつながるとの期待の高まりも背景にあるとした。
バイデン米大統領は12日、1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス救済法案の実現に向け州知事や市長との会合を開き、数百万人の失業者への支援や学校再開に一段の協力が必要と訴えた。
原油相場はこのところ、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」による減産維持を材料に大幅上昇していた。
楽天証券のコモディティアナリスト、吉田哲氏は、減産に加え、世界同時株高が投資家のリスク選好度を高めていると指摘。世界的な金融緩和による緩和マネーの流入や新型コロナワクチンの迅速な普及、OPECプラスと米シェール業者による供給の引き締まりを背景に原油価格は70ドルを目指す可能性があると予想した。
*内容を追加しました。
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