午前の日経平均、一時30年半ぶり3万円回復 米株高など好感
ロイター / 2021年2月15日 12時37分
前場の東京株式市場で、日経平均株価は一時486円39銭高の3万0006円46銭まで上昇し、1990年8月3日以来、30年半ぶりに3万円の大台に乗せた。資料写真、2020年10月撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)
[東京 15日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均株価は一時486円39銭高の3万0006円46銭まで上昇し、1990年8月3日以来、30年半ぶりに3万円の大台に乗せた。前週末の米国株市場でナスダック総合とS&P総合500種が終値ベースで最高値を更新した流れを引き継いだほか、前場が開く直前に発表された日本の10─12月期実質国内総生産(GDP)も支えとなった。ただ、3万円回復後は急な上昇に対する警戒感のほか、目標達成感が台頭し、上げ幅を縮小。前営業日比347円11銭高の2万9867円18銭で前場の取引を終えた。
内閣府が発表した2020年10―12月期の実質国内総生産(GDP、季節調整値)は前期比年率プラス12.7%と2四半期連続のプラスとなった。「GoToキャンペーン」で旅行や外食が活発化したことや、自動車を中心に製造業が復調してきたことなどが押し上げ要因になったとみられる。一方、20年暦年ではマイナス4.8%と、リーマン・ショック時の09年に次ぐ落ち込みとなった。
市場からは「GDPが2四半期連続の2桁成長となったのはサプライズ。冷静に考えると景気はコロナ前の水準を下回っているほか、決算も一巡し材料不足となっているなかで、取引直前に想定以上に強いGDPが出て売り方の買い戻しが集中したようだ」(ニッセイ基礎研究所のチーフ株式ストラテジスト、井出真吾氏)との声が出ていた。「地合い自体は変わっていない。好材料に乏しいので、積極的に買い上がるのは難しい」(同)という。
TOPIXも6日続伸し0.68%高で午前の取引を終了。6営業日連続でバブル後高値を更新し、一時1956.60ポイントまで上昇した。
東証1部の売買代金は1兆3625億8000万円。東証33業種では鉱業、石油・石炭製品、精密機器、銀行業などの24業種が値上がり。空運業、繊維業、ゴム製品などの9業種は値下がりとなっている。
個別では、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ、オリンパス、エムスリー、ファナックなど、指数寄与度の高い銘柄がしっかり。5銘柄で日経平均を約210円押し上げる格好となった。
その他、アウトドア製品の開発・製造・販売などを手掛けるスノーピークはストップ高となっている。2日発表した2021年12月期の通期連結業績予想で、純利益を前期比9.1%増の11億4400万円としたことが好感された。
東証1部の騰落数は、値上がり1152銘柄に対し、値下がりが948銘柄、変わらずが91銘柄だった。
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