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動静不明の中国国防相、当局が取り調べか 解任との報道も

ロイター / 2023年9月15日 17時45分

 9月15日、エマニュエル駐日米大使は、中国の李尚福国防相の動静が2週間以上途絶えていることについて、自宅軟禁下に置かれているのではないかと疑問を呈した。李国防相、4月にモスクワを訪問した際に撮影。提供写真(2023年 ロイター/Sputnik/Pavel Bednyakov/Pool via REUTERS)

Yukiko Toyoda Yew Lun Tian

[東京/北京 15日 ロイター] - 米欧の一部メディアは15日、動静が2週間以上途絶えている中国の李尚福国防相が当局の取り調べを受けていると報じた。

李氏は8月29日に北京で開催したアフリカ諸国との安全保障フォーラムで演説して以降、動静が公になっていない。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は15日、米当局者の話として、李氏が当局の調査を受けていると米政府は考えていると報じた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は李氏が先週、取り調べのために連行され、解任されたと報じた。いずれも理由については言及していない。

エマニュエル駐日米大使は15日、李氏が自宅軟禁下に置かれているのではないかと疑問を呈した。

「まず李氏はこの3週間消息不明だ。次にベトナムへの外遊に現れなかった。そして今度はシンガポール海軍総司令官との会談を欠席した。自宅軟禁されているからか」とX(旧ツイッター)に投稿した。

この投稿には「#北京のビルでのミステリー」というハッシュタグが付けられ、「デンマークは何かが腐っている」というシェークスピアの戯曲「ハムレット」からの引用も添えられている。

中国国防省にコメントを求めたが回答は得られていない。外務省の毛寧報道官は李氏が取り調べを受けているかとの質問に対し「関連する情報を承知していない」と答えた。

中国では消息不明になっていた秦剛前外相が突然交代し、理由も明らかにされなかったため、メディアなどで大きな話題になったばかり。李氏と秦氏は5人いる国務委員に名を連ねており、通常の閣僚より地位が高い。

<会議は取りやめ>

エマニュエル氏が投稿で言及したシンガポール海軍総司令官は4─9日に訪中したショーン・ワット少将を指しているとみられる。関係筋によると、ワット氏は5日に李氏と会談する予定だったが、「実現しなかった」という。

ロイターは14日、李氏が先週行う予定だったベトナム高官らとの会談を中国側が「健康状態」を理由に取りやめたキャンセルしたと報じた。

中国国防相が主催する年次国際安全保障会議「北京香山フォーラム」が予定通り10月下旬に開催されるかどうかを専門家や外交官は注視している。

李氏は3月に国防相に任命される前は軍の調達部門の責任者だった。同部門は7月の通知で入札プロセスの問題を一掃する方針を示していた。

米国は李氏がロシアの兵器輸出会社ロソボロネクスポートからの兵器調達に関与したとして2018年に同氏を制裁対象に指名しており、同氏の消息に注目している。

中国当局は米中両軍対話を促進するため制裁解除を求めている。オースティン米国防長官は6月、シンガポールで開催された安全保障会議で李氏との会談を試みたが握手のみにとどまった。

オーストラリア国立大学の政治学者ウェンティ・ソン氏は、米中軍事関係において李氏は「障害」だったが、同氏の不在は中国の国際関係にとっても問題だと指摘した。

「中国と軍事対話をしたいときに誰に連絡を取ればいいかといった基本的なことで他の国も困惑するだろう」と語った。

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