インドIT業界、大手銀行のシステム投資再開が追い風に
ロイター / 2024年8月15日 13時28分
インドのIT業界に追い風が吹いている。世界的な大手銀行が昨年に凍結していたITプロジェクトを再開したためだ。タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)のロゴが入った資料写真(2024年 ロイター/Francis Mascarenhas)
Sai Ishwarbharath B Haripriya Suresh
[ベンガルール 14日 ロイター] - インドのIT業界に追い風が吹いている。世界的な大手銀行が昨年に凍結していたITプロジェクトを再開したためだ。同国ITセクターは売上高の約3分の1を銀行・金融サービス・保険(BFSI)業の顧客から稼ぎ出している。
タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)やインフォシス、ウィプロなどIT各社の四半期決算では、シリコンバレー銀行の経営破綻以降1年半にわたって低迷していたBFSI顧客の需要が回復し始めたことが示された。
TCSのサミール・セクサリア最高財務責任者(CFO)は「BFSIは最初に警戒姿勢に入った業種だけに、いち早く回復するはずだ」と指摘。同氏は、中央銀行の利下げと米大統領選を巡る不確実性の解消が顧客の景況感を押し上げると期待している。
JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカといった大手銀行の決算発表後の電話会見で言及されたITサービス需要の回復が、波及効果をもたらす可能性もある。
JPモルガンは今年の年間IT支出額を15億ドル引き上げて170億ドルとした一方、バンク・オブ・アメリカは今年の生成人工知能(AI)対応といった新技術に40億ドルの予算を割り当てた。
技術調査会社エベレスト・グループのピーター・ベンドールサミュエルCEOは「銀行の回復はITサービス業界にとって心強い。通常は他の業種も追随するためだ」と述べた。
ロイターの分析によると、米銀大手5行の4─6月期決算ではIT投資は前年同期比6.8%増、前期比では1.2%増となった。
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