米ボーイング、350億ドル調達 事故やストによる財務悪化に対応
ロイター / 2024年10月16日 1時19分
米航空機大手ボーイングは15日、株式と債券の発行により最大250億ドルを調達する計画を米証券取引委員会(SEC)に提出した。写真は2015年12月、ワシントン州レントンの同社施設で撮影(2024年 ロイター/Matt Mills McKnight)
[15日 ロイター] - 米航空機大手ボーイングは15日、株式と債券の発行により最大250億ドルを調達する計画を米証券取引委員会(SEC)に提出した。100億ドルの信用枠を設定する融資契約も締結した。今年初めに発生したドアパネルが飛行中に吹き飛ぶ事故や、9月13日からのストライキにより、主力の737MAX型機の生産が打撃を受ける中、悪化する財務状況の改善につなげる狙い。
株式発行の時期などは明らかになっていない。アナリストらは、ジャンク債の1段階上にある現在の格付けを維持するためには、100億─150億ドルが必要だと試算している。
ボーイングの6月30日時点の現金および現金等価物は108億9000万ドル。声明では、新たな100億ドルの信用枠や、既存の利用可能な借入枠は利用していないとしている。
ボーイングは「流動性を確保するための2つの慎重な措置だ」とし、融資契約については「困難な環境」を乗り切る上で必要な短期的な資金流動性を確保するためのものだと説明した。
ボーイングの提出書類によると、株式や債券の発行計画で「3年間にわたり、財務を支えるためのさまざまな選択肢を検討できる」とした。調達資金は一般の事業運営目的で使用予定。
ストライキで、ボーイングは月10億ドル以上の損失を被っており、11日には従業員の10%に当たる1万7000人の人員削減を発表した。労使交渉の行き詰まり打開に向け、米労働省高官は14日にシアトルで労使双方と会談した。
ホーイングは2026年2月1日までに115億ドルの債務が満期を迎える。また同業のスピリット・エアロシステムの買収に伴い、47億ドルの新株発行を公表している。
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