スペイン、新型コロナ死者の減少傾向継続 検査拡充と首相表明

スペインのサンチェス首相（左）は１５日、新型コロナウイルス感染症による死者数の減少が続き、感染防止に向けたロックダウン（都市封鎖）措置の緩和を進める中、検査を拡充していくと表明した。代表撮影（２０２０年　ロイター）

［マドリード　１５日　ロイター］ - スペインのサンチェス首相は１５日、新型コロナウイルス感染症による死者数の減少が続き、感染防止に向けたロックダウン（都市封鎖）措置の緩和を進める中、検査を拡充していくと表明した。

同日発表の新型コロナによる死者は５２３人と、前日の５６７人から減少。１日当たりの死者数は今月２日に記録した９５０人から減少傾向にあり、政府は１３日、ロックダウン措置の一部緩和に踏み切った。建設や製造など一部産業の業務再開が認められる。

サンチェス首相は、スペインではすでに１日当たり２万超の検査が実施されており、世界でも最高水準とした上で、「これをさらに拡充する」と語った。

政府高官らは、ロックダウン解除の裾野を広げるには、新型コロナの症状が軽度の患者や無症状の人も検査対象とし、追跡調査を拡充する必要があると指摘している。

また、政府は先週、大規模な抗体検査を実施する方針も表明。過去３週間に無作為に選ばれた６万人の血液を利用するという。しかし、専門家は同検査の質について懐疑的な見方を示している。

１５日時点で、スペインでの新型コロナによる死者は累計１万８５７９人と、米国に次いで世界で２番目に高い。感染者数は約５０００人増加し、計１７万７６３３人に達した。