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カナダ中銀、債券の買い入れ対象拡大 経済活動の早期再開に期待

ロイター / 2020年4月16日 3時44分

カナダ銀行(中央銀行)は15日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を0.25%に据え置くと同時に、債券買い入れ対象の拡大を決定した。オタワで2017年5月撮影(2020年 ロイター/Chris Wattie)

[オタワ 15日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は15日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を0.25%に据え置くと同時に、債券買い入れ対象の拡大を決定した。新型コロナウイルス感染拡大でカナダ経済の短期的な悪化は過去最悪になると警告し、先行き不透明性の高まりを理由に経済見通しの公表を一時的に取りやめた。同時に、経済活動の早期再開は依然として可能との見方を示した。

中銀は新型ウイルス感染拡大への対応で3月に3回の利下げを実施したほか、国債とコマーシャル・ペーパー(CP)の買い入れを開始し、カナダ中銀としては初めての量的緩和(QE)に着手した。今回は地方債と社債を買い入れ対象に含めることを決定し、「必要に応じて買い入れプログラムの規模と実施期間を調整する用意がある」と表明した。

カナダ統計局は15日、国内経済が3月に前月比9%縮小し、第1・四半期は2.6%のマイナス成長になった可能性があると発表した。

ポロズ中銀総裁は記者会見で「カナダ経済は大幅に、かつ急激に縮小している」とし、「中銀は短期的に、衝撃を和らげる以上のことはできない」と語った。

また新型コロナに関する制限措置の解除が5月下旬から6月上旬にかけて始まれば「経済は徐々に勢いを勢いを増すことが期待される」と述べ、「わたしはこうした見通しが依然として実現すると期待している」と表明した。

経済見通しの公表取りやめについては、不確実性が高い中で特定の見通しを示すことは「誤り」につながるとし、市場が中銀の判断を悪く捉えるとは考えにくいとした。

中銀は四半期金融政策報告で、カナダの実質国内総生産(GDP)が昨年第4・四半期と比べて第1・四半期は1─3%縮小、第2・四半期は15─30%縮小するとのシナリオを想定。「先行き不透明感が高い中でも、こうした推計は短期的な景気悪化が過去最悪になることを示している」とし、「先行き不透明感の高まり」を受け、具体的な見通しの公表を一時的に取りやめるとした。

物価動向については、主にガソリン価格の急落を反映し、全般的なインフレ率は第2・四半期は0%近辺で推移するとの見方を表明。新型ウイルス感染拡大で総需要と供給に「大きなマイナスの影響」が及んでいるとし、原油価格の急落がこれに追い打ちをかけていると指摘。「回復の時期と道筋を巡る先行き不透明性は著しく高まっている」とした。

BMOキャピタル・マーケッツの主席エコノミスト、ダグ・ポーター氏は「中銀が先行き不透明性の高まりを理由に見通しの公表を言ってみれば諦めたことは特筆に値する」と述べた。

国際通貨基金(IMF)は14日に公表した世界経済見通しで、カナダ経済は今年は6.2%のマイナス成長に陥るとの見方を示している。

*内容を追加しました。

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