ファーウェイCFO、起訴内容の「間違い」主張 身柄引き渡し審理
ロイター / 2020年6月16日 11時42分
中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ) の孟晩舟最高財務責任者(CFO)が、カナダの裁判所で継続している自身の米国への身柄引き渡しを巡る審理で新たな主張を提起したことが、15日に公表された裁判所の資料で明らかになった。写真は自宅を出て裁判所に向かう孟氏。5月27日、カナダのバンクーバーで撮影(2020年 ロイター/Jennifer Gauthier)
[バンクーバー/ニューヨーク 15日 ロイター] - 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ) の孟晩舟最高財務責任者(CFO)が、カナダの裁判所で継続している自身の米国への身柄引き渡しを巡る審理で新たな主張を提起したことが、15日に公表された裁判所の資料で明らかになった。
孟氏(48)の弁護団は、米国が同氏の身柄引き渡しを要請するためにカナダに提出した起訴内容は「意図的で向こう見ずな間違いばかり」のため、同氏の権利を侵害していると主張した。
孟氏は2018年12月1日、バンクーバーの空港で、米国の要請を受けたカナダ当局に逮捕された。米当局はファーウェイのイランとの取り引きについてHSBC
米検察は、孟氏が2013年に香港でHSBCの銀行員1人に対して行ったパワーポイントのプレゼンテーションを、同氏の不正を示す主要な証拠としてきた。このプレゼンで孟氏はイランで事業を行っていた「スカイコム」という会社は「ファーウェイのビジネスパートナー」と紹介。米当局は、実際は非公式の子会社だと主張してきた。
孟氏の弁護団は、このプレゼンで開示されたイランで当時進行中のファーウェイの事業に関する重要情報や、スカイコムがイランでの販売とサービスでファーウェイと協力していたという事実が、検察の起訴内容に入らなかったと指摘。
このプレゼンに関する米検察の説明は、これらの開示情報が含まれていないため、「大いに誤解を与える」ものだと主張した。
弁護団はまた、起訴内容ではファーウェイとスカイコムの関係を知っていたのはHSBCの一般社員だけだったとされているが、ファーウェイがHSBCにとって最大手顧客の1つだったことを考えると、役員らが関係性について知らなかったというのは信じ難いとした。
さらに、弁護団によると、米検察が主張するHSBCによるファーウェイへの9億ドルの融資枠は存在しておらず、実際はファーウェイは26の銀行と16億ドルの融資契約を結び、このうちHSBCが拠出したのは8000万ドルにとどまったという。
この融資枠は一度も引き出されておらず、2017年6月解消されたとした。
カナダのブリティッシュコロンビア州上級裁判所のホルムズ判事は15日、孟氏の権利が侵害されたという主張について審理する前に、米国の起訴内容を十分に検討したいとの意向を示した。
米検察当局の報道官はコメントを控えた。
同裁判所は前月、米国での起訴内容がカナダ国内でも罪に相当することを表す「双罰性」を満たさないとの孟氏の主張を退ける判断を示し、身柄引き渡しを巡る審理が継続することになった。
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