昨年の米大統領選、ロシアのプーチン氏が政治工作指示=米報告書
ロイター / 2021年3月17日 7時25分
2020年の米大統領選で当時現職だったドナルド・トランプ氏を勝たせようとロシアが行った政治工作は、プーチン大統領が指示していた公算が大きい――。米国家情報官室(ODNI)が16日公表した報告書は、こうした見解を示した。2020年11月、ウィスコンシン州の不在者投票の開票の様子(2021年 ロイター/Bing Guan)
[ワシントン 16日 ロイター] - 2020年の米大統領選で当時現職だったドナルド・トランプ氏を勝たせようとロシアが行った政治工作は、プーチン大統領が指示していた公算が大きい――。米国家情報官室(ODNI)が16日公表した報告書は、こうした見解を示した。
今回の報告書で、トランプ氏の何人かの最側近が、大統領選で同氏と対決した民主党候補のバイデン氏に関して、ロシアとつながりがあるウクライナ関係者が提示した批判的な情報を拡散する形で、ロシアの思惑通りに動いていたとの見方が改めて裏付けられた。さらにプーチン氏がそうした政治工作を統括していたか、少なくともトランプ氏に有利になるような米大統領選への介入を是認していた構図も、新たに浮かび上がっている。
報告書は、プーチン氏の「手の内」にあった人物の1人としてウクライナの親ロシア派政治家アンドレイ・デルカッチ氏を挙げている。デルカッチ氏は19年に、トランプ氏の弁護士のルディ・ジュリアーニ氏と面会した記録がある。
また報告書は、デルカッチ氏以外にも複数の国家安全保障や情報部門の高官らがこうしたロシアの工作に加担しており、最低でもプーチン氏による暗黙の了解の下で行動したとしか判断できないと説明した。
一方で報告書は、20年の米大統領選で中国がバイデン氏のために介入したという一部トランプ氏側近の主張は否定し、そうした介入はなかったと結論付けた。
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