豪金融市場、通貨トークン化でコスト削減も＝中銀総裁補

オーストラリア準備銀行（中央銀行、ＲＢＡ）のジョーンズ総裁補は１６日、通貨をトークン化すれば国内金融市場のコスト削減につながるとの見解を示した。写真は２０１６年３月、シドニーで撮影（２０２３年　ロイター/David Gray）

[シドニー １６日 ロイター] - オーストラリア準備銀行（中央銀行、ＲＢＡ）のジョーンズ総裁補は１６日、通貨をトークン化すれば国内金融市場のコスト削減につながるとの見解を示した。

ＲＢＡは中銀デジタル通貨（ＣＢＤＣ）の導入やその方策を検討している。

ジョーンズ氏は講演で、さまざまな形態のデジタル通貨やインフラがどのようにトークン化資産市場の発展を支援できるかを評価することが中銀の主な優先事項だと述べた。

また、トークン化によって流動性が高まることなどから国内資本市場の発行体は年間約１３０億豪ドル（約８２億ドル）の取引コストを削減できる可能性があると指摘。

取引量の増加や特にクロスボーダーにおけるアトミック決済のメリットにより、さらに１０億─４０億豪ドルの取引手数料を削減できるとした。アトミック決済は資産の同時交換による即時決済。

オーストラリア政府はこの日、暗号資産（仮想通貨）やデジタル資産の規制案の概要を発表した。これらの資産のプラットフォームに既存の国内金融サービス法を適用し、プラットフォーム運営者に金融サービス免許の取得を義務付ける内容。