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再送-インタビュー:対面で富裕層ビジネス、新興企業オーナーなど重視=SBI証副社長

ロイター / 2024年7月16日 19時38分

 7月16日、SBIホールディングス傘下の最大手ネット証券、SBI証券が対面での富裕層ビジネス(ウェルスマネジメント)に打って出る。写真は同グループのロゴ。都内で2021年12月撮影(2024年 時事通信)

(誤字を修正しました)

By Miho Uranaka

[東京 16日 ロイター] - SBIホールディングス傘下の最大手ネット証券、SBI証券が対面での富裕層ビジネス(ウェルスマネジメント)に打って出る。富裕層ビジネスの競争が激化する中、得意とするIPO(新規公開)で接点のある新興企業のオーナー社長などとの取引を重視、預かり資産の拡大を狙う。

SBI証券の前川雅彦副社長がロイターとのインタビューで語った。

SBI証は4月にウェルス・マネジメント部を開設。富裕層ビジネスでは大手証券会社の中では最後発とも言える立場だが、野村証券で約23年間リテール営業に携わった前川氏は「デジタルプラットフォームを引っ提げて手数料をゼロにし、金融取引の在り方を変えたように、富裕層ビジネスでもイノベーションを起こす」と語る。

事業立ち上げで最も重要視する顧客対象となるのが、新興企業のオーナー社長。SBI証はIPOへの関与率が業界トップの90.9%で、新興企業との接点が多い。主幹事として上場を支援する機会も増加しており、IPO前から長く関係性を構築できる。

こうした新興企業の若手起業家は自社株はあるが現金の保有が少ないことも多く、自社株を担保にして資金を融通するビジネスにも需要があるという。「証券からローンを提供するビジネスは今後増える」と述べた。

前川氏は、マス・アフルエント(金融資産が5000万円未満)と呼ばれる領域から富裕層(同1億円以上5億円未満)、超富裕層(同5億円以上)と呼ばれる顧客層が増大し、「通常のネットサービスだけでは満足できない層が増えた」と説明。富裕層ビジネスを自社で持たないことが顧客離れにつながるという問題意識もあったという。

他方でこうした層を紐解いてみると、他社で富裕層向けサービスを受けているが、運用などは「手数料の安いSBIで」という人も多く、「コストコンシャスな既存の富裕層にもビジネスチャンスがある」と語った。

米モルガン・スタンレーの調べによると、日本の純富裕層(同5000万円以上1億円未満)以上を対象にしたウェルスマネジメント業界の規模(負債を除く純金融資産)は、30年までに23年末の約644兆円から約906兆円まで拡大する。野村ホールディングスや大和証券グループ本社は、リテールの営業部門をウェルスマネジメントに改称して、富裕層をはじめ資産管理型ビジネス重視の姿勢を鮮明にし、銀行も含めて競争は激化している。

人材の獲得競争も激しくなる中、体制整備に向けてのもっぱらの課題は人材採用と、前川氏は指摘する。信頼できる人材か自社との相性もみながら慎重に陣容を整えており、年度内に20人程度までバンカーを拡大する意向を示した。

前川氏は、現在のSBI証のリテールの預かり資産は40兆円あるが、ウェルスで「それなりのポーション」の獲得を目指すとした。来年度には予算を立て、グループへの収益貢献を見込むという。

SBI証券は1月、IPO企業の初値を操作したとして金融庁から一部業務停止命令を受けた。前川氏は「一度に信用をなくした」とし、「創業的な出直しをして、体制をしっかり作っていく」と語った。

※インタビューは10日に実施しました。

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