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利上げは極めて緩慢なペースで、物価目標へ「やや注意要する」=安達日銀委員

ロイター / 2024年10月16日 12時7分

 10月16日、日銀の安達誠司審議委員は、基調的な物価上昇率が2%目標を持続的・安定的に実現するまでは、基本的には緩和的な環境を維持しつつ、極めて緩慢なペースで政策金利を引き上げていくと述べた。写真は日銀本店。都内で1月撮影(2024 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Takahiko Wada

[高松市 16日 ロイター] - 日銀の安達誠司審議委員は16日、基調的な物価上昇率が2%目標を持続的・安定的に実現するまでは、基本的には緩和的な環境を維持しつつ、極めて緩慢なペースで政策金利を引き上げていくと述べた。2%目標の実現に向け、現時点で見通しを変更するほどではないが「やや注意を要する点が出てきた」と指摘。米利下げ局面入りで円安修正が強まる可能性に加え、来年も十分な賃上げが持続するか「やや慎重な見方をしている」とした。

香川県高松市で開いた金融経済懇談会であいさつした。

安達委員は今年5月、ドル/円が160円に迫る中で行われた熊本県金融経済懇談会で、「過度な円安の状況が長期化して物価の動きに影響が生じることで、物価目標の実現に影響を与えると予想される場合には、金融政策による対応も選択肢の1つになる」と述べていた。

安達委員は16日のあいさつで、米国経済を巡る不透明感に言及した。11月の米国大統領選で次期大統領が誰になるかといった点だけでなく、併せて実施される議会選挙の結果を受けた上下両院の勢力図次第では「米国の経済政策が大きく変わる可能性がある」と警戒感を示した。

賃上げについては、今年の大幅な賃上げは「あくまでも業績拡大の範囲内で実施されている」と指摘。「必ずしも企業が賃上げスタンスをデフレーション期から明確に変えたわけではない」と語った。

<自然利子率は「最も慎重な推計値を支持」、拙速な利上げ回避を>

安達委員は、段階的な利上げにあたって最も重要なのは緩和的な金融環境を維持することだと強調した。

緩和的かどうかを測る目安となる自然利子率について、安達委員は「信頼性の高い数値を実証的に特定することが困難」と述べた。その上で、日銀が出している推計値がマイナス1%程度からプラス0.5%程度と幅が大きいことに触れ、現時点ではインフレ抑制のための急ピッチな利上げを実施する必要はなく、むしろ拙速な利上げは回避すべきであり、「最も慎重な推計値で考えてよいのではないか」と指摘した。

その場合でも、現時点での実質政策金利は自然利子率を十分に下回っており、緩和的な環境は維持できていると説明した。

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