米、「偽慈善団体」に制裁 パレスチナ解放人民戦線に資金提供

　１０月１５日、米政府は、テロ組織に指定しているパレスチナ解放人民戦線（ＰＦＬＰ）の主要な資金調達先になっているとして、親パレスチナ団体「サミドゥン・パレスチナ囚人連帯ネットワーク」に制裁を科した。写真はボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボで２０１７年４月撮影（２０２４　ロイター／Dado Ruvic）

[ワシントン １５日 ロイター] - 米政府は１５日、テロ組織に指定しているパレスチナ解放人民戦線（ＰＦＬＰ）の主要な資金調達先になっているとして、親パレスチナ団体「サミドゥン・パレスチナ囚人連帯ネットワーク」に制裁を科した。カナダと連携した対応で、カナダ政府は同団体をテロ組織に指定した。

米財務省はＰＦＬＰが欧州や北米での資金調達にサミドゥンを利用しているとし、同団体を「偽の慈善団体」と非難した。

ＰＦＬＰはパレスチナ自治区ガザでのイスラエルとの戦闘に参加している。サミドゥンは昨年、ドイツで活動を禁止された。

財務省のブラッドリー・スミス次官代理（テロ対策・金融情報担当）は「サミドゥンのような組織は慈善団体を装い、困っている人々に人道的支援を提供すると主張しているが、実際には援助に必要な資金をテロリスト集団の支援に流用している」と述べた。

ＰＦＬＰの海外指導部メンバーも制裁の対象となった。

カナダ政府は１５日、サミドゥンをテロ組織に指定すると発表した。ルブラン公共安全相は「暴力的な過激主義、テロ行為、テロ資金供与はカナダ社会にも国外にも存在する場所はない」と述べた。